中国共産党は中国動画投稿アプリ「ティックトック(TikTok)」を通して米国民に共産主義思想を叩き込むことで、米国に超限戦を仕掛けているーー。アドバイザリー会社ブラックオプス・パートナーズ(BlackOps Partners)のケイシー・フレミング最高経営責任者(CEO)は、中国製アプリの背後にはすべて「悪意」が潜んでいると警鐘を鳴らした。
「ソーシャルメディアは中国共産党の情報兵器でありプロパガンダを配信するための認知兵器でもある。子供から大人に中国共産党の価値観を叩き込むツールだ。そうすることで左派や右派、黒人や白人などの分裂をもたらしている」と述べた。
現在、米国の米国アプリストアランキングのトップ3は中国製アプリが占める。1位のTikTokに次ぎ、2位は日本でも人気を集める激安アパレルサイト「SHEIN(シーイン)」、3位は中国発のショッピングアプリ「Temu(ティームー)」だ。
また、TikTokなどの中国アプリのほか「テクノロジー、コンピュータ、ハードウェア、ソフトウェア、デジタルケーブル、アクセサリー、家電製品も情報収集のツールとして使われている」と付け加えた。
背後に潜む思惑
米国では、若年層への悪影響や国家安全保障のリスクを理由に、TikTokを禁止する議論が活発化している。一方で、ユーザーデータの収集をめぐって他の大手IT企業にも同様の措置を取るべきとの指摘もある。
これに対してフレミング氏は米国の大手IT企業やソーシャルメディア大手もユーザーのデータを収集しているが、中国アプリとの間に大きな違いがあると指摘。米国のIT企業などは利益追求を出発点としているのに対して、中国アプリは米国人を洗脳することを目的としていると述べた。
「中国のソーシャルメディアは、脳をハイジャックすることで米国民の価値観を変えようとしている。内部分裂や反社会的な行動を引き起こし、思考能力を制限している」「その目的は、若年層に中国共産党は米国よりも友好的で良い国だと思わせることにある」と述べた。
中国のトロイの木馬を置き換える
米国議会でTikTokの禁止は、言論の自由に抵触するとの議論が行われる中、米国はすでに第3次世界大戦の真っ只中にあるとフレミング氏は指摘する。
「我々は戦時下の環境にある。多少の縮小や変化に耐えなければならない。この戦争に勝つためには中国共産党が米国民に対してトロイの木馬を使っていることを認識しなければならない」
フレミング氏は、こうした中国共産党の影響工作に対抗するため、日本を含む同盟国と協力して、中国の悪質なアプリに代わるプラットフォームを作ることが必要だと述べた。
「トロイの木馬として侵入してくる悪質なプラットフォームを置き換えるために、自由主義諸国が歩み寄り、互いに技術提供できれば」と述べた。
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