中国格安ブランド「SHEIN」の強制労働…米上院議員、CEOに説明責任求める

2023/02/14
更新: 2023/02/14

トレンドのアイテムが安価に手に入るとして日本でも急成長を遂げている中国のファストファッションブランド「シーインSHEIN)」。しかし、過酷な労働環境や大量生産による環境問題など多くの問題点も抱えている。

この度、米上院の超党派議員グループがSHEINの許仰天(クリス・シュー)最高経営責任者(CEO)宛に書簡を送り、人権弾圧が問題となっている新疆ウイグル自治区産の綿が同社製品に使用されている可能性があるとして透明性を高めるよう呼びかけた。

ブルームバーグは昨年11月、米国に出荷されたSHEINの衣料品を専門機関が検査した結果、新疆ウイグル自治区で作られた綿花が発見されたと報じた。

議員らは9日付で送られた書簡のなかで、SHEINは強制労働等によって作られた物品の米国への輸入を禁じる「ウイグル強制労働防止法」の抜け穴をかいくぐって、米市場への輸出を続けている可能性があると指摘。「米国の消費者が強制労働によって栽培、収穫、加工された綿花を使用した衣服を不本意に購入」するリスクがあるとした。

ウイグル強制労働防止法に基づき、小売業者は新疆綿を使用していないことを米関税当局に証明する必要があるが、非課税対象である800ドル未満の衣料品はこれに含まれていない。SHEINは一般消費者への個別配送を行なっているため、米国繊維団体協議会などからは「製品は監視されず米国に届いている」と指摘する声が上がっている。

また議員らは、SHEINの管理体制にも疑問を呈した。SHEINは強制労働などに対して「定期的なリスク評価を実施している」と明記しているが「デザインから梱包、出荷まで3~5日以内というスピード生産から、どのようにして強制労働による衣料品の生産がないことを保証できるのか」と問いかけた。

議員らは30日以内の回答をSHEINに求めている。

昨年10月に発表されたアイニュースの調査報道「SHEINマシーンの裏:語られない事実」は、広東省広州市にある縫製工場で労働者は失敗で賃金不払いのペナルティを課されたり、長時間労働を強いられていると結論づけている。

米国をはじめ国際関係担当。
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