[ワシントン 5日 ロイター] – 米野党・共和党の議員らは5日、米本土上空を飛行していた中国の偵察気球撃墜を巡り、バイデン大統領の対応が遅かったとし、中国に対し弱腰であることを示すと批判した。当初、米領空に入ったことも非公開にしようとしたと指摘した。
米空軍の戦闘機は気球が最初にアラスカ付近の米領空に入ってから1週間後となる4日、サウスカロライナ州沖で気球を撃墜した。
オースティン国防長官は同日、米軍は気球を調査することで「貴重な」情報を収集できたと述べた。また、トランプ前政権時代にも中国の偵察気球が3つ、米上空を通過していたと明らかにした。トランプ前大統領はこれを否定した。
上院軍事委員会メンバーのトム・コットン共和党議員は、アラスカ付近の上空で気球を撃墜すべきだったとし、「米本土通過を容認すべきではなかった」と語った。
また、バイデン氏が米領空侵入の公表を待ったのは、最終的に延期されたブリンケン国務長官の中国訪問を実現させたかったからだと指摘。「中国共産党に挑発的・対立的と見なされる行動に対する大統領の消極姿勢が背景にある」と述べた。
ブティジェッジ運輸長官はバイデン氏の対応を擁護。地上の国民を保護する措置だったとの見解を示した。
民主党上院トップのシューマー院内総務も「洋上での撃墜は最も安全なだけでなく、われわれの情報収集を最大にする選択肢でもあった」と述べた。その上で、気球や中国の偵察活動について上院議員が国防総省から15日に説明を受けるとした。
トランプ氏は5日、自身の政権下でも中国の偵察気球が米上空を通過したとする指摘を否定したが、共和党のマイケル・ウォルツ下院議員はワシントン・ポスト紙に対し、トランプ政権時代に米国周辺で中国の気球が複数回確認され、国防総省が議会に通知していたことを明かした。同氏によると、気球はハワイおよびグアム周辺のほか、テキサス州やフロリダ州の周辺で確認されていたという。
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