「この冬は中国の高齢者にとって、生きるか死ぬかの劫難だ」ーー。目下の惨状を通じて、かつては中国共産党の固い擁護者だった極左の高齢者層も、考えを見直し始めている。
浙江省金華市の楊さんは18日、大紀元の取材に対し「少し前の感染ピーク時、村の老人が大勢感染して亡くなった。付近の村でも同じような状況だ。深刻な薬不足で薬は手に入らない。苦しみや絶望の中で自ら命を絶つ人もいる」と明かした。楊さんによると、自分の住む村や隣村の数人の高齢者は川に身を投げたという。
湖北省恩施市の徐さんも19日、大紀元に対し「地元では多くの人が死んでいる。葬儀場はひどく混雑しており、みんな並んでいる」と語った。「農民たちは直接所有する土地に死者を土葬している」という。
楊さんは「当局は気温が低く、心血管疾患の発生率が高い冬に(感染症の行動規制を)解除した。これが死亡の波をより深刻にさせた。欧米にならって6、7月に解除していれば、これほど多くの死者を出さずに済んだのではないか」と批判した。
また、「国産ワクチンは副作用が大きいわりに効果がない」とし、「すでに大きな赤字となっている年金体制のプレッシャーを緩和し、年金を払わなくて済むよう、政府は1人でも多くの高齢者に死んでほしいと願っているのだろう」と述べた。
家族の死 開かれた「春晩」
多くの国民は感染と家族の死を経験する中、中国版紅白歌合戦とも称される旧正月大晦日の娯楽番組「春節聯歓晩会」(春晩)が21日、放送された。
湖南省嶽陽市の鄒さんは大紀元に対し、「自分は春晩は見ない」と話した。「多くの人が亡くなるなか、彼ら(CCTV)はこの人類史上の一大悲劇ともいえる惨状を面白い冗談かのように演じている」「中国共産党は死者の山の上で祝杯をあげ、自分たちはいかに正しくて素晴らしいのかを自慢している。恥知らずだ」と批判した。
過去3年間、中国当局は極めて厳しい感染対策を行ってきたが、昨年末、突如として開放へ踏み切った。感染爆発の中、人々はパニックに陥った。「人々は悲しみを覚えると同時に、これまでの馬鹿げた防疫対策に一体何だったのかと怒っている」と鄒さんは話した。
「この地域には赤い遺伝子の極左思想を持つ高齢者は多い。彼らはかつて共産党の固い擁護者だった。しかし、周囲で相次ぐ不幸を見て『いつかまた同じようなことが起きやしないか。たとえ自分が無事だったとしても、子供や孫たちはどうだろうか』と考えを見直し始めている」
「高齢者の極左思想は崩れたようだ。今やまったく中国共産党を信じなくなった」と述べた。
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