米国のトム・コットン上院議員を含む4人の超党派議員は13日、通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)を含む中国の5G企業に対する制裁法案を発表した。米国の金融システムへのアクセスを実質上禁止する内容で、国家安全保障上の脅威とされる中国企業にさらなる追い討ちをかける。
法案は、対象の中国企業を財務省の特別指定制裁対象(SDN)リストに追加して、米国内の資産凍結や米国人や米企業との取引を禁止とする。過去には、テロリストグループやロシアの新興財閥オリガルヒ、イラン金融機関などが同リストに指定されている。
議員らは、米国に対する産業スパイ活動を行なっているファーウェイなどを厳しく制裁することで、国内からの排除を強め、防衛力強化を目指す。
コットン氏は声明で「ファーウェイは中国の諜報機関の一部だ。ファーウェイと中国共産党が米国人の個人データや我が国の最も機密性の高い防衛システムにアクセスすることを許すわけにはいかない」と強調した。
法案を共同提出したリック・スコット氏も、中国などの敵対的国家が支配するテクノロジー企業はスパイ行為を通じて米国の技術を盗用してきたと指摘。「あまりもの長い間、米国は最大の敵対的国家に機密性の高い領域への侵入を許してきた。これらは終わらせなければならない」と述べた。
議員らは、トランプ大統領が在任していた2020年にも同様の法案を提案している。当時は、SDNリストが「国家安全保障上の脅威と戦う最も効果的な手段の1つ」としていた。
米司法省は10月、ファーウェイへの捜査を妨害したとして、中国情報機関の情報員2人を訴追したと発表した。7月には米CNNが連邦捜査局(FBI)の調査結果として、ファーウェイの通信機器により米戦略核兵器を運用する戦略軍の通信が阻害される恐れがあると報じた。
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