政府は21日、総合的な防衛力強化と経済・財政基盤のあり方について議論する有識者会議を首相官邸で開催した。近く公表される提言をもとに岸田首相が政府・与党と検討し、年末に改定する防衛3文書の議論を進める。
提言は佐々江賢一郎元駐米大使が取りまとめる。首相は「防衛力の抜本的強化の目的や必要性、研究開発・公共インフラ・サイバー安全保障及び国際的協力の各分野における縦割りを打破した総合的な防衛体制の強化に資する取組、そして、経済財政の在り方について、高い見地から御意見を頂いた」と述べ、謝意を表した。
中国共産党や北朝鮮の軍事的脅威が高まるなか、防衛3文書の改定に関する議論では抑止力に直結する「反撃能力」の保有が不可欠との認識が広がる。政府は既存のミサイルの長射程化や、米国の巡航ミサイル「トマホーク」の購入を検討している。
防衛費増額にともない、「幅広い税目による国民負担」の必要性が盛り込まれる。首相は「防衛力の抜本的強化については、必要となる防衛力の内容の検討、そのための予算の規模の把握、財源の確保、これらを一体的かつ強力に進めていく」と強調した。
このほか、南西諸島のインフラ整備や、陸海空自衛隊の一元的運用を担う「統合司令官」の新設、防衛装備品の移転を可能とする「防衛装備移転三原則」の見直しを求めるという。
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