[ロンドン 23日 ロイター] – トラス英首相の後任を決める与党・保守党の党首選で、ジョンソン前首相が23日、出馬しない意向を表明した。立候補に必要な支持を確保したものの、英国と保守党には結束が必要と判断したという。これを受け、スナク元財務相(42)の次期首相就任がほぼ確実となった。
ジョンソン氏は立候補に必要な保守党議員100人の推薦を確保するため、休暇先のカリブ海から急きょ帰国していた。
同氏は23日に発表した声明で、102人の推薦を得たものの、「国益」のため結束するようスナク氏やモーダント下院院内総務を説得できなかったと説明。「したがって私が出馬を断念し、(党首選で)成功した人を支持することが最善と判断した」と述べた。
英ポンドはアジア時間序盤の取引で、ドルに対し0.5セント超上昇した。
ジョンソン氏の出馬断念を受け、早ければ24日にもスナク氏が新首相に決まる可能性が高まった。今回の党首選では、保守党議員100人の推薦を得た候補が1人しかいない場合、その人物が24日に首相となる。
スナク氏は23日に立候補を表明、150人近くの推薦を確保した。ジョンソン氏の出馬断念を受け、同氏支持派の多くは即座にスナク氏の支持に回った。
モーダント氏陣営に近い関係筋によると、同氏は立候補を継続する考え。
スナク氏は39歳でジョンソン政権の財務相に就任し、国民から注目される存在となった。前回党首選では決戦投票まで進んだが、トラス現首相に敗北した。
23日の声明で、財務相として難しい状況下で経済運営のかじ取りを担ったときよりも「さらに大きな課題にわれわれは直面している。しかし、適切な選択を行えば素晴らしい機会が存在する」と強調した。
スナク氏の就任が決まれば、英国初のインド系の首相になる。
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