中国海警局、南シナ海でベトナム漁船を攻撃 14年以来98隻

2022/10/20
更新: 2022/10/20

香港メディアによると、ベトナムの漁師らは南シナ海での中国海警局による攻撃が常態化していると訴えた。近年、ベトナムの漁船約100隻が中国側の攻撃によって破壊された。

英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト14日付で、ベトナムのグエン・ヴァン・ロック(Nguyen Van Loc)さんは2020年、パラセル諸島(中国名・西沙諸島)を航行していた時、自身の船が転覆するまで中国側の船に繰り返し衝突されたと報道した。

ロックさんら乗組員13人は、水中で釣りかごにしがみつき救助を待った。ロックさん自身は中国海警局職員に暴行されたうえ、獲った魚や漁業道具も全部中国側に奪われたという。

ロックさんは、中国側の攻撃回数は「数え切れないほどだ」と話した。

パラセル諸島にある同国のリーソン県(Ly Son)漁業協会の統計では、14年以来、98隻の漁船が南シナ海で中国船によって破壊された。また過去30年間、中国船に攻撃された。あるいは天候悪化を理由に、中国船が支援を拒否したことによって死亡したリーソン県の漁師は120人にのぼる。

中国は12年以来、パラセル諸島を実効支配しているが、ベトナムと台湾は領有権を主張している。

ベトナムの海上安全専門家、グエン・フオン(Nguyen Phuong)氏は米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に対して、南シナ海での中国による他国の漁師への攻撃行為は「違法」だと強調し、「中国側がグレーゾーン戦略を強化していることを浮き彫りにした」との見解を示した。

「中国は南シナ海でグレーゾーン戦略を取っている。軍艦や武器を使わないで、低強度の妨害をしながら、レッドラインを超えない範囲で実効支配を徐々に拡大している。ベトナムのような弱い国はその対応に苦慮している」

張哲
張哲