ノーベル経済学賞、バーナンキ元FRB議長ら3人 銀行と恐慌を研究

2022/10/11
更新: 2022/10/11

[ストックホルム 10日 ロイター] – スウェーデン王立科学アカデミーは10日、2022年のノーベル経済学賞ベン・バーナンキ元米連邦準備理事(FRB)議長、米シカゴ大学のダグラス・ダイヤモンド教授、米セントルイス・ワシントン大学のフィリップ・ディビッグ教授の3人に授与すると発表した。

3氏はいかに銀行を規制し、破たんした金融機関を公的資金で支援することで1930年代の世界恐慌のような深刻な経済危機を回避できるかという研究が評価された。

スウェーデン王立科学アカデミーは、08年の世界金融危機に端を発した景気後退と新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による景気低迷に触れ、各国の中央銀行や金融規制当局が取った行動の大部分は受賞者の研究に動機づけられている、と指摘した。

08─09年に各国政府が金融機関を救済したことには批判の声が上がった。しかし、バーナンキ氏らの研究は、社会が全体としては恩恵を受け、救済措置がなければよりより深刻な影響が及んでいた可能性があったことを示唆している。

バーナンキ氏は、米金融大手リーマン・ブラザーズの破綻に始まった世界金融危機時にFRB議長を務めていた。同氏は当時、経営が不安視された他の大手金融機関に公的資金を投入する緊急対応策を行った。

選考委員会は「バーナンキ氏は1983年の論文で、銀行の取り付け騒ぎが破綻につながり、それが30年代に比較的通常レベルの景気後退が大不況に発展したメカニズムということを統計的分析と歴史的資料を用いて示した」と指摘した。

3氏には合計1000万スウェーデン・クローナ(88万5000ドル)が贈られる。

Reuters