上海ロックダウン中にパン販売 企業に罰金処分 全土に支援広がる

2022/09/08
更新: 2022/09/08

都市封鎖中の上海市でパンなどを製造・販売した韓国系の大手ベーカリーチェーン「巴黎貝甜(パリバゲット)」が、「違法製造」との理由で上海市当局から約58万元(約1200万円)の罰金を科された。同社を声援しようと購買運動が中国全土に広まり、当局に処分の取り消しを求める世論が高まっている。中国メディアが報じた。

4月23~26日にかけて、同社は自社の研修施設で、パン類の製品を合計400セット製造し、ネットで販売した。上海市当局は、同社が食品製造運営許可を取得していないことを理由に「違法な製造」と判断し、同社に対して売上の5万8500元(約121万円)を全額没収し、その10倍の罰金を科す処分を下した。

新型コロナ感染症によるロックダウン中、各社は軒並み値上げしたが、同社は通常価格で販売していた。

政府の処分を批判する世論が高まっている。ネットでは「良心的な企業を助けよう」と全国で購買運動を呼びかける書き込みが続いている。

複数の上海市民が米ラジオ・フリー・アジア(RFA)の電話取材に応じた。それによれば、都市封鎖期間に市民が食品を入手できない中、当局が指定した集団購入業者は破格の高値をつけていた。「政府はなぜ、こんな異常事態の中で、おいしいものを定価で提供した良心的な企業を処罰するのか、理解に苦しむ」「歪んだ社会では、良いことをしても評価されない」と市民たちは嘆いた。

パリバゲットは中国で直営店、加盟店など300店舗以上を運営している。

 

(叶子静)