米国のジョシュ・ホーリー上院議員は18日、国防総省やその他の政府機関が、中国政府などにサービス提供するコンサルティング企業と契約することを禁じる法案を提出した。ホーリー氏は「中国の帝国的な野心から米国を守るか、米国政府との契約を破棄するかの選択を企業に強いる」と述べた。
『選択の時』と題する法案によって規制を受けるのは、中国政府や中国共産党及び関連組織にサービスを提供するコンサルティング企業。中国の政府や企業との取引関係を隠蔽した企業は、今後、連邦政府との契約が禁じられるほか、米国政府が支出した金額の3倍に相当する損害賠償を求められる。
ホーリー氏は法案に関する声明の中で、米国防総省など複数の政府機関から数百万ドルの契約を定期的に受注するコンサル大手のマッキンゼー・アンド・カンパニーが、中国国有企業にもコンサルティングサービスを提供していたと述べた。米NBCニュースの報道を引用し、マッキンゼーは米軍の内部情報にアクセス可能だったと同時に、中国の軍備増強や影響力拡大について提言を行なっていたと言及した。
ホーリー氏は声明で「コンサルティング企業は国防総省や他の連邦政府機関から巨額の契約を獲得している一方で、米国を圧倒しようとする中国のために働いている。まったく容認できない」と指摘。「企業に説明責任を課し、利益相反を禁止するべき時だ」と強調した。
公的支出を追跡する連邦政府のウェブサイトUSASpending.govによると、現在、マッキンゼーは米国政府と1400件近くの個別契約を結んでおり、契約総額は38億ドルに上る。国防総省との契約が最も多く、契約総額は9億8300万ドル以上だという。
マッキンゼーの広報担当は本件について「厳格なプロトコルに従い、利益相反を防止し、クライアントの機密保持に努めている」と述べた。政府機関にサービス提供する場合には機関の要望にも従う旨の返答もあった。
マッキンゼーが米中双方の政府機関と契約関係にあることについて、米国当局が調査を進めているとの情報は現時点で確認されていない。
(Mark Tapscott)
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