中国、米国最高研究機関の1700以上の技術を標的に=米企業調査

2022/07/13
更新: 2022/07/18

米国の産業コンサルタント企業はこのほど、中国政府は米エネルギー省の管轄下にある重要科学技術研究機関、オークリッジ国立研究所(ORNL)が開発したイオンビーム、原子力機器を含む1700以上の技術を盗もうとしていると警告した。ブルームバーグが12日報じた。

米スタートアップ企業、ストライダー・テクノロジー(Strider Technologies)は、中国側に盗まれるリスクが最も高い技術と、窃盗に関わる可能性のある人物を特定するために、中国インターネット上で公開されているオープンソースデータを精査し、分析を行った。

同社の幹部はオークリッジ国立研究所に勤務している間に、中国政府の海外人材誘致プロジェクト「千人計画」に参加した研究員2人を突き止めた。

中国政府は、ナノテクノロジーを専門とするこの2人の研究員に対し、それぞれ50万元(約1019万円)の補助金と最大300万元(約6113万円)に相当する他の助成金を提供した。その後、2人は中国国内に移住し、中国防衛産業に関わる大学の研究室に勤め始めた。

米国の半導体、航空宇宙、防衛などの分野の大手企業がストライダー・テクノロジー社の顧客となっている。

ブルームバーグは、調達記録や情報源に基づき、米空軍がストライダー・テクノロジー社の取引先のうちの1つだと特定した。

空軍は2020年から同社を通じ、中国とつながりを持つ可能性のあるサプライヤーを審査している。空軍当局はブルームバーグの取材に対し、「敵対する外国政府などによる所有、支配、影響力リスクについてより強固な評価を構築する」ために、過去1年半同社と提携していると示した。

別の取引先では、中国側による技術窃盗で数十億ドルの損失を被った経験があったという。

1943年に設立されたオークリッジ国立研究所の科学研究は、エネルギー、安全保障、科学、バイオテクノロジー、物理学、物質科学など幅広い分野にわたる。同研究所が開発したスーパーコンピューター「フロンティア」は1秒間に100京回の演算ができる世界初のエクサスケールコンピューターで、世界最速のスーパーコンピューターとして君臨している。
 

張哲
張哲