WHO、コロナ起源に「更なる調査必要」実験室漏えい説巡り=報告書

2022/06/13
更新: 2022/06/13

世界保健機関(WHO)は9日に公表した報告書のなかで、中共ウイルス(新型コロナウイルス)が中国武漢市の実験室から漏えいしたとする説について「さらに調査する必要がある」との見方を示した。米AP通信が同日報じた。

報告書を作成したWHOの諮問グループは、同ウイルスの起源について「依然として特定できていない」とした。報告書は、中国側から得たデータが不足しており、大流行を引き起こした原因を解明するための「重要なデータ」が欠けているとした。

特に2019年12月に中国で報告された最初の感染症例についてのデータが不足している。報告書は、人間にどのように感染したのかを特定できなかったとした。

報道によると、WHOのテドロス事務局長は今年2月、中国の李克強首相と馬暁偉・衛生相に書簡を送りデータの提供を要請した。

WHOは同ウイルスの起源を解明するために、昨年10月に米国や中国など25カ国の専門家27人による諮問グループ「新規病原体の起源に関する科学諮問グループ(SAGO)」を設置した。

WHOはこれまで、中共ウイルスの起源を調べるために中国現地に専門家チームを2回派遣した。

昨年3月に発表された現地調査報告書は、武漢市の研究室から漏えいした可能性を巡って「極めて低い」とした。いっぽう、9日公表の報告書は、実験室流出説を「適切に評価するための新しいデータを得られていない」と示し、今後調査を続ける必要があると求めた。しかし、SAGOの中国、ロシア、ブラジルの専門家は「追加調査」に反対した。

AP通信は、WHOの今回の報告書は実験室漏えい説を巡り、中国に対し今までで「最も厳しい表現」で追加調査を要求したと指摘した。

張哲
張哲