[ワシントン 13日 ロイター] – 米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は13日、ワシントンで首脳会議を開き、今年11月に双方の関係を「戦略的パートナーシップ」から「包括的戦略パートナーシップ」に格上げすることを盛り込んだ共同声明を発表した。
バイデン米大統領は、今回の会議はASEAN10カ国と米国の「新時代」の幕開けになると述べた。
ASEANは昨年、オーストラリア、中国とも包括的戦略パートナーシップに関係を格上げしている。
ワシントンにあるシンクタンク、米戦略国際問題研究所の東南アジア専門家、グレゴリー・ポーリング氏は「具体的にはあまり変わらないが、象徴的に重要」と指摘した。
首脳らはウクライナ情勢について協議し、「主権、政治的独立、領土の一体性の尊重」を改めて訴えた。ウクライナに侵攻にしたロシアを声明の中で名指しで非難することは避けたが、ポーリング氏は、過去のASEANの声明よりも踏み込んだ表現になったと分析した。
バイデン大統領は「向こう半世紀の世界史の大部分はASEAN諸国で作られる」とし、「米国とASEANの関係において、新たな時代が始まる」と述べた。
これに先立ちハリス米副大統領は、米国は東南アジア地域を優先事項と見なしているとし、「インド太平洋国として米国は何世代にもわたり東南アジア地域にとどまり、関与し続ける」と表明。「米国とASEANはビジョンを共有しており、共に国際規範への脅威から防衛していく」と表明した。
しかし、バイデン、ハリス両氏とも中国を名指しすることはなかった。
米・ASEAN首脳会議は12日にバイデン大統領がホワイトハウスで主催した夕食会で開始。米国はインフラ改善やパンデミック(世界的大流行)対策などに総額1億5000万ドルの支援を確約した。
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