「親も感染すれば子の付き添い可能」上海市の新方針に市民が批判

2022/04/05
更新: 2022/04/05

中共ウイルス(新型コロナ)の感染拡大に伴い都市封鎖を実施している上海市衛生当局は4日、親がPCR検査で陽性となった場合のみ、隔離施設に送られた子どもへの付き添いを認めるとした。多くの市民はSNS上で「ならば感染して子どもに付き添いたい」と投稿した。

同市は、これまで乳幼児の隔離施設への入所に保護者の付き添いを認めていなかった。

市衛生健康委員会は4日の記者会見で、3日に新たに9006人の感染者が確認されたと発表した。3日連続で過去最多を更新した。

同委員会一級巡視員の呉干渝氏は会見で、子どもや妊産婦、高齢者などを今後も「別々に収容し治療を行っていく」方針を示した。7歳以下の乳幼児が感染した場合、親も感染者の場合のみ、親子が同じ隔離施設で過ごすことが可能だという。

市の対応をめぐって、保護者らはネット上で怒りのコメントを寄せた。

「高いレベルの医療チームを派遣しても、親がそばで看病することとは比べものにならない」

「幼い子どもにとって、感染よりも心の傷のほうが大きい」

「あなたたち(市の幹部ら)は同じ親なのか」

「親の付き添いを許されない1、2歳の幼い子どもはどれほど不安になるだろうか。看護師らはミルクやおむつをちゃんとやってくれるのか?」

「もし子どもが陽性になって私が陽性にならなかったとしても、子どもと一緒にいたい。感染してもいいから、どんな状況でも子どもと一緒にいたい」

中国SNS上では1日、上海市民が乳幼児を対象とした隔離施設「金山乳幼児隔離点」の内部映像を投稿した。この施設には200人以上の乳幼児が隔離されているのに対して、看護師は10数人しかいない。映像では、多くの幼い子は声が枯れるほど泣き叫んでいた。1つのベッドに数人の乳児が横たわっており、布団が顔を覆ったままの乳児もいた。

上海市公共衛生臨床センターは2日、ネットユーザーの投稿を否定した。

いっぽう、中国誌「中国慈善家」は同日、上海市の乳幼児隔離施設について報道を行った。SNS上では同報道のコメント欄に、数多くの保護者が投稿し、子どもと引き離されたと訴えた。

1歳の子どもが隔離施設に送られた親は「私は(子と引き離さないように)医師、先生に土下座までした。市当局に陳情の電話をしても全く聞いてくれなかった。新型コロナウイルスがもたらす病の苦痛よりも、私たちの精神的な苦痛のほうが大きい」と悲しんだ。

(翻訳編集・張哲)