防衛省、「グローバル戦略情報官」を新設 宣伝工作などに対応

2022/04/01
更新: 2022/04/02

意図的に発信されるフェイクニュースや外国政府による宣伝工作に対処するため、防衛省は1日、情報分析などを行う「グローバル戦略情報官」を新設した。防衛上の重要技術の流出を防止する取り組みも始まった。

岸信夫防衛相は記者会見で、フェイクニュースの発信や宣伝工作など「伝統的な安全保障領域にとどまらない動き」があると指摘。政治・経済・軍事・技術などの側面から横断的に情報収集と分析を行うポストとして「グローバル戦略情報官」を防衛政策局調査課に新設すると述べた。

ロシアのウクライナ侵攻ではサイバー攻撃とともに各種宣伝工作を組み合わせる「ハイブリッド戦」が展開された。防衛省はハイブリッド戦について警鐘を鳴らすツイートを複数回行うなど、情報の周知に努めている。

中国共産党の影響工作や統一戦線工作も日本に対する脅威となっている。フランス国防省傘下のシンクタンクが公開したレポートによれば、中国共産党は外国の選挙に対する介入や世論操作、「政治戦争(世論戦、心理戦、法律戦)」などを行っているほか、沖縄など日本国内の分離独立運動を扇動しているという。

同日、防衛装備品の研究開発に携わる防衛装備庁は、防衛上重要な技術の流出を防止するため、装備情報統括室を発足させた。また、防衛関連産業を力強く持続可能なものにするための防衛産業政策室も新設された。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。