中国国有銀行幹部、預金47億円相当を横領 「銀行に賠償責任なし」と判決

2022/03/18
更新: 2022/03/18

中国5大国有商業銀行のうちの1社、中国工商銀行(ICBC)の南寧支店の幹部が2億5300万元(約47億円)の個人預金を横領した事件で、裁判所は幹部に懲役刑を言い渡すも、ICBCに賠償責任はないという判決を下していたことがわかった。中国メディアが報じた。

主犯は、ICBC南寧支店の個人金融業務部の責任者で、主に預貯金、資産管理、個人ローンなどの個人業務を主管していた。

顧客28人の預金口座からさまざまな手口で合計約2億5300万元を不正流用した。約1億2000万元は返却されていない。

南寧市中級法院(地裁)が昨年11月下旬に下した一審判決は、主犯は窃盗、詐欺、金融商品偽造の罪で無期懲役、共犯者3人は7年から15年の懲役刑、賠償責任は各被告人にあり、銀行には賠償責任はないという内容だった。

金融犯罪に詳しいある中国の弁護士はSNSで「この判決はおかしい。銀行は元本と利息を顧客に賠償する義務がある」とコメントした。

中国メディア「21世紀経済報道」の過去の報道によると、中国では銀行内部関係者によるこの種の金融犯罪は辺鄙な農村部を中心に多発している。

(翻訳編集・叶子静)