[東京 8日 ロイター] – 8日午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比77円89銭安の2万5143円52銭と、3日続落して午前の取引を終えた。朝方はロシアとウクライナの停戦交渉の難航や原油価格の高止まりが嫌気され、心理的節目である2万5000円を下回る水準での値動きが続いた。ただ、2万5000円近辺では値ごろ感を意識した買いも入り、売り一巡後は下げ幅を縮小した。
7日の米国株式市場は主要株価3指数が大幅続落した。原油価格の高騰を受け、インフレ懸念が高まった。ナスダックは昨年11月19日に付けた終値での最高値を20%下回って引けた。
日経平均は寄り付きで連日の昨年来安値(2万5006円26銭=7日)を更新し、心理的節目の2万5000円を2020年11月10日以来、約1年4カ月ぶりに下回った。その後は国内年金勢や個人投資家による買いが観測され、一時プラス転換したものの、再びマイナス圏に沈んだ。ただ、原油価格の高騰は前日までに先行して織り込んでいたこともあり、米市場のような波乱要因にはならなかった。
市場では「日経平均は前日までの2営業日で1300円以上下落するなど売られ過ぎのシグナルもあり、買い戻しが広がった。ただ、ウクライナ情勢は緊張緩和の兆しが見えないため、上値も重い」(国内証券)との声が聞かれた。
TOPIXは0.52%安の1784.66ポイントで午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆9386億3100万円だった。東証33業種は石油・石炭製品、鉱業、鉄鋼、非鉄金属、卸売業などの23業種が値下がり。電気機器、倉庫・運輸関連、サービス業などの10業種は値上がりした。
個別では、前日までに大幅安となっていたファナック、東京エレクトロン、ダイキン工業、アドバンテストなどの値がさ株がしっかり。半面、ファーストリテイリング、ソフトバンクグループは売られた。
そのほか、前日に逆行高となったENEOSホールディングス、INPEXなどの石油関連株や三菱商事などの商社株は利益確定売りに押され軟調。日野自動車は4日発表したエンジン性能を偽る不正行為が引き続き嫌気され、連日のストップ安となった。
東証1部の騰落数は、値上がりが812銘柄(37%)、値下がりは1266銘柄(58%)、変わらずは98銘柄(4%)だった。
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