ウクライナ侵攻、中国人1人が負傷 進まぬ退避に「同胞を見捨てた」

2022/03/03
更新: 2022/03/03

中国メディアによると、ロシアの軍事侵攻を受けているウクライナでこのほど、中国人が攻撃を受けて負傷した。一部の留学生はSNS微博(ウェイボー)に投稿し、国外へ退避できていないと訴え、中国大使館の対応を批判した。

中国ポータルサイト「新浪網」によると1日、中国人らがウクライナ東部から西部の街、リビウに向かう途中でロシア軍の銃撃に遭い、1人が負傷して病院に運ばれた。

ウクライナにいる中国人とみられるユーザーは1日、微博上で、ロシア軍から激しい攻撃を受けているウクライナ第2の都市、ハリコフにいる中国人留学生が「危険な状況にある」として、在ウクライナ中国大使館に助けを求めると投稿した。

「車をチャーターできず、鉄道駅は30分前に砲撃を受けた」と窮状を訴えた。

また、ネット上に投稿された電話音声では、女子留学生は退避支援を提供しない中国大使館に対して「微博では毎日、中国政府と大使館は中国人留学生と共にいると宣伝しているのに」と不満をぶちまけた。大使館側は「今このような条件を整えていない」と釈明した。

ネットユーザーからは「共産党の大使館はウクライナにいる留学生を見捨てた」と批判が相次いだ。

ロシアがウクライナ侵攻に踏み切る前から、各国政府が自国民の退避を急いだのに対し、中国当局は2月25日になってようやくチャーター機を手配したと発表。27日、当局は「実行が困難だ」として退避計画をキャンセルした。

28日、中国当局は大型バスをチャーターし、自国民の国外退避計画を始めたと発表したが、後手後手の対応が目立っている。

ウクライナでは約6000人の中国人が滞在しているという。中国メディアは第1陣の600人が陸路で退避したと報じた。いっぽう、一部の留学生はネット上で、中国大使館は支援を提供しておらず、学生らに自力で退避するよう要求したと明かした。

(翻訳編集・張哲)