台湾の行政院(内閣)の蘇貞昌院長(首相)は1日、ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナに対して医療物資を28日に発送したと発表した。蔡英文総統は同日「台湾はウクライナの人々へ人道的な立場から医療物資を寄付し、支援できることを誇りに思う」と支援物資の映る写真を添えてツイートした。
台湾の外交部(外務省)によると、医薬品や医療機器など合計約27トンの医療物資を桃園国際空港から独フランクフルトに向けて中華航空で発送したという。今後ウクライナへ移送される予定。
蘇氏は記者団に対して、台湾は制裁措置の決定において世界中の民主主義のパートナーと歩調を合わせ、主要国7か国(G7)が講じた対露制裁である国際送金・決済システム「SWIFT」から一部のロシア銀行を排除することを決定したと発表した。
台湾積体電路製造(TSMC)など世界的な半導体受託生産メーカーを数多く抱える台湾は、すでにロシアへの半導体輸出規制を講じていることを27日に発表している。
台湾の経済部(経済省)は、旧共産圏諸国に対する通常兵器などの輸出規制「ワッセナー・アレジメント(WA)」に基づき、ロシア向けの輸出品の審査を厳格化している。同規制は1996年に制定されたもので、42カ国が参加している。台湾は参加国ではないものの、国際規範への抵触を避けるため、半導体を含むハイテク製品の輸出入管理に関する法令を定めている。
TSMCは23日、台湾政府が対露輸出規制を決定すれば従うことを表明した。
台湾とロシアとの貿易取引は多くない。経済部によると2021年の対ロシア半導体輸出額は2164万ドルで、台湾の輸出総額の0.01%程度だった。
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