2月28日、香港当局が国家政権転覆罪で民主派47人を起訴してから一年を迎えた。米欧日などが加盟する国際的な議員連盟「対中政策に関する列国議会連盟」(IPAC)は同日、香港の反体制派の排除を目論む中国共産党を強く非難し、民主派の釈放を求める声明を発表した。
IPACの議員60名は声明で、民主派の拘束は「国家安全維持法を利用し反体制派を一掃するという、疑う余地のない中国共産党の狙いをあらわす」と指摘した。中国共産党は香港の自由と自治を奪っていると非難し、47人の起訴を取り下げるよう求めた。
香港警察は2020年、民主派が立法会選挙に向けて実施した非公式の予備選が政権転覆の企てにあたるとし民主活動家、黄之鋒氏ら47人を香港国家安全維持法の国家政権転覆罪で起訴した。現在、釈放が認められているのは14人のみ。有罪となれば最高で終身刑となる可能性がある。
声明は各国政府の支援も呼びかけた。香港における人権と基本的自由の濫用に責任を負う中国および香港の当局者に制裁を課すほか、香港から脱出した市民の定住を支援するよう求めた。
IPACの共同議長、マルコ・ルビオ米上院議員は、47人への不当な拘束は香港の民主主義の圧殺を急ぐ中国共産党の容赦ない姿勢を示していると批判した。国際法を無視する中国共産党は「責任を負わなければならない」と力説した。
香港が香港国家安全維持法を施行して以来、香港での民主主義は消滅の危機にある。言論の自由が弾圧され民主派メディアの閉鎖や労働組合・市民社会団体の解散が相次いだ。昨年の香港立法会議員選挙は事実上、民主派勢力を排除した「高度な自治を損なう」選挙となった。
声明を発表したIPACのヘレナ・ケネディ英議員は、法体系を愚弄している香港当局は「平和的な活動家を大量に拘束し続ける根拠はない」と指摘。香港民主化運動を弾圧し続ける中国共産党に制裁措置を講じる必要性を各国政府に訴えた。
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