米英EU、ロシアの銀行をSWIFTから排除へ 数日中にも実行

2022/02/27
更新: 2022/02/27

米国と英国、EUなどは27日、ウクライナ侵攻に対する制裁措置として、ロシアの複数の銀行を国際金融決済網「SWIFT」から排除することで合意した。ロシア中央銀行に対する制裁も含まれており、非常に厳しい措置となる。

共同声明では、ロシアの戦争は「第二次世界大戦以来の基本的な国際ルールと規範に対する攻撃」であると非難、欧米の首脳は侵略に抵抗するウクライナ国民を支持していると表明した。

制裁措置として、各国の金融機関が国際的な送金や決済を行うときに使用する決済システム「SWIFT(国際銀行間通信協会)」からロシアの複数の銀行を排除し、国際金融活動を制限する。SWIFTは、世界中の11000以上の銀行やその他の金融機関の間で行われる毎日数十億ドルの取引を決済している。制裁は数日中に実行される。

2014年のクリミア侵攻時に経済制裁を受けたロシアはSWIFTに代わる独自の決済システム「SPFS」を開発したが、利用はロシア国内の金融機関が多く、国際的な決済システムとなっていない。

対ロシア制裁が効果的に実施されるよう、大西洋横断タスクフォースを今週結成する。制裁対象者による資産移転にも対策を講じることで合意した。米欧は既にプーチン大統領およびラブロフ外相の資産凍結を発表している。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は26日の記者会見で、ロシアの中央銀行の資産を麻痺させ、民間の銀行をSWIFTから切り離せば、ロシアの輸出入を効果的にブロックすることができると述べた。天然ガスや原油の輸出を主要産業とするロシアにとって、輸出取引が停止すれば甚大な経済的ダメージを受けることになる。

このほか、今回の制裁では偽情報やその他の形態のハイブリッド戦争に対する協調を強化するとした。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。
関連特集: ウクライナ情勢