仏調査機関、「台山原発問題を矮小化」EDFに説明求める

2022/02/27
更新: 2022/02/27

フランスの放射能測定調査民間機関、クリラッド(CRIIRAD、放射能調査情報提供独立委員会)はこのほど、昨年、中国広東省にある台山原子力発電所で起きた放射性物質漏えいについて、フランス電力公社EDF)に説明を求めた。

クリラッドは23日、同ウェブサイト上で声明を公開し、産業界や多くの専門機関は台山原発の漏えい問題を矮小化と批判した。同団体は、台山原発1号機の燃料棒の破損は他の原子炉に影響を及ぼしていると主張している。

クリラッドによると、昨年11月、原子力産業で働く内部告発者から入手した情報で、状況は報告されたものよりはるかに深刻だという。燃料棒の破損は、原子炉の異常な振動が原因だとした。

クリラッドは声明の中で、振動は欧州加圧水型炉(EPR、第3世代加圧水型原子炉)容器の油圧に影響する一般的な設計上の欠陥に起因するとの見解を示した。

台山原発は世界で初めて最新鋭のEPRを採用した。米ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、クリラッドの責任者、ブルーノ・シャレイロン(Bruno Chareyron)氏は、「異常な振動は原子炉に影響を及ぼしている。われわれは同じ危機の再発する可能性が高いと見ている」とした。

仏EDFは台山原発に3割出資している。残り7割を出資する中国国有原子力大手、中国広核集団(CGN)は昨年6月、燃料棒の損傷により放射性物質の濃度が上昇したものの安全基準を満たしているとして、運転の継続を許可したと発表した。

ただ、中国側は7月に「保守管理」として台山原発の1基の運転を停止した。現在も運転を再開していない。

台山原発の問題は仏、英、フィンランドで建設中の原発に使用されるEPRの設計に影響を与えている。

台山原発と同じ部品を使用する仏のフラマンビル原発は、2.5億ユーロ(約300億円)をかけて245本の燃料棒を取り替えた。

クリラッドは、EDFが台山原発に関する技術報告を提出しない限り、フラマンビル原発の稼働に反対すると表明した。

(翻訳編集・張哲)