中国共産党による人権弾圧を周知させるため、日本ウイグル協会の于田ケリム会長や桜井崇千葉市議らは16日、ウイグル人に対する迫害を描く関連書籍を千葉市中央図書館に寄贈した。書籍は市内の公民館の図書室等にも配架される。
桜井市議は「千葉市では人間の尊重を重んじている。近隣諸国の人権侵害に意見を言うのは議会の権能だと思っている。自由と人権、正義の実現を謳っているので、ウイグルの意見書を提出することは市議としての当然の役割だと思っている」と強調した。
寄贈された書籍は、漫画家・清水ともみ氏のドキュメンタリー漫画『私の身に起きたこと とあるウイグル人女性の証言』(季節社)。強制収容や虐待を経験したウイグル人たちの証言をもとに中国共産党による弾圧の実態を描いた。出版社によると有志者により世界14か国語に翻訳されている。
于田ケリム氏は「ウイグル人として、千葉市の議員の先生方の取り組みを心強く思う」と述べた。中国共産党によるジェノサイド政策が続いており「私たちの手では家族を助けることができない。多くの方々の力を借りたい」と訴えた。
寄贈式に参加した伊藤隆広市議は、中国での人権問題を「放っておけず、自分のこととして捉えている」とし、ウイグル関連の書籍の寄贈を受けることで「一人でも多くの千葉市民の方に知っていただける」と述べた。
千葉市議会では2021年6月、桜井市議や伊藤市議が所属する自由民主党・無所属の会の発議による、ウイグル人の自由や人権の尊重を求める意見書が可決した。市民ネットワークや共産党などが賛成し、自民・公明両党は反対票を投じた。
桜井市議は大紀元の取材に対し、中国人権問題に積極的ではない意見について「千葉市は人間の尊重を掲げている。そこをなぜないがしろにするのか、後ろ向きになるのか。中国(共産党)に逆らえないのか」と苦言を呈した。
伊藤市議は、中国共産党と対峙できるようにするためには、まず日本が政治的・経済的に自立する必要があると語った。そして「日本人として誇りを持ち、国として自立し、世界のために何ができるのか」を考えるべきだと強調した。
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