米国広報大手エデルマン(Edelman)が数十カ国の国民を対象に行った世論調査では、中国当局を「信頼している」と答えた人は中国人回答者のうちの91%を占めた。専門家は、中国国内で行われる世論調査は多くの困難が伴い、調査結果は意味をなしていないと指摘した。
エデルマンは18日、最新世論調査「2022エデルマン信頼バロメーター(2022 Edelman Trust Barometer)」を公表した。調査は、昨年11月に28カ国の3万6000人を対象に実施した。
同調査によると、中国人回答者のなかに、企業、報道機関、政府、非政府組織(NGO)に対して「信頼する」と答えた人は83%。前年の調査から11%上昇した。調査を実施された28カ国の中で最も高い。また、中国「政府」を信頼していると示した回答者は全体の91%となった。
いっぽう、米国人回答者の中には、企業、報道機関、政府、NGOに対して「信頼する」と返答した人は全体の43%。前年比で5%減少した。米国「政府」を信頼していると答えた米国人は39%にとどまった。
ドイツやイギリス、韓国などの民主主義の国でも、「政府」を信頼していると回答した人の割合は50%を下回った。
在米中国人学者の葉耀元氏は米ラジオ・フリー・アジア(RFA)に対して、中国当局が国民の言論を厳しく統制しているため、「中国で世論調査を行うには多くの制約と限界がある」と指摘した。
全体主義国家では、身の安全を案じ、調査対象者は「本音で回答していない」と推測した。
同世論調査は、先進国で実施したオンライン調査のサンプルはその国の大半の国民の考えを反映したとの認識を示した。しかし、ネット普及率の低い国では、サンプルは比較的に裕福で、教育水準が高い人に集中する。
中国のネット普及率は70%未満であるため、調査対象国の中で下から4番目であった。そのため、中国のサンプルは欧米諸国と比べて、「代表性が低い」と同世論調査は指摘した。
葉耀元氏は、外国企業が中国で世論調査を行う際、「多くのセンシティブ問題を回避しなければならない」との見方を示した。「特に2015年以降中国国内で世論調査を実施する場合、(アンケートの質問は)中国審計署の審査を受けなければならない」という。
(翻訳編集・張哲)
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