米下院、対中競争・半導体強化法案を公表

2022/01/26
更新: 2022/01/26

[ワシントン 25日 ロイター] – 米下院指導部は25日、中国に対する米国の競争力向上や米半導体業界への支援を目的とした法案を公表した。半導体の生産・研究強化に520億ドルを充てる。

ペロシ下院議長は、この法案によって半導体への投資が加速し、米国の製造・研究能力が増強されると同時に、米国の競争力と指導力が向上すると強調した。

上院は昨年、「米国イノベーション・競争法案(USICA)」を可決。半導体の生産増強に520億ドル、中国に対抗して米国の技術・研究を強化する費用として約1900億ドルを盛り込んだ。

下院案は技術・研究に充てる約1900億ドルを盛り込んでいないが、サプライチェーン(供給網)の強化や必需品・産業機器の生産、製造技術の支援に450億ドルを支出する内容。

「米国の経済や安全保障に著しい脅威をもたらす国など、懸念のある国から生産施設を移動」する費用に充てることができるとしている。

また、供給網混乱に際し必需品供給を維持するために必要な備蓄を政府が構築する目的で資金を活用することも可能とした。

下院は来週に法案を審議する見通し。可決されれば、上下院の指導部が法案のすり合わせを行う。

下院案にはこのほか、複数の通商条項が含まれ、少数民族ウイグル族の扱いを巡り中国に追加制裁を科す内容や、条件を満たす香港市民に難民認定を付与する案も盛り込まれた。ワシントンの中国大使館のコメントは得られていない。

法案はさらに、米企業による中国などへの投資について、米通商代表部(USTR)主導で政府が審査することも提案している。

Reuters