「恨むことをやめよ」上海の大学、南京事件死者数に疑問の教員を解雇

2021/12/17
更新: 2021/12/17

中国上海市にある震旦職業学院は16日、授業中に「南京大虐殺」の死亡者数に疑問を呈した女性教員を「重大な教育事故を起こした」として、解雇すると発表した。

中国SNS微博(ウェイボー)に投稿された動画では、教員の宋庚一氏は授業で、日中戦争のさなかに旧日本軍が南京で30万人を殺害したとの中国当局の主張について、「この歴史を支える史料はなく、世間の推測に過ぎない」と話した。

宋氏は、事件について「永遠に恨むのではなく」「なぜ戦争が起きたのかを反省しなければならない」と日中戦争に関して理性的に認識する必要があると学生らに呼びかけた。

この授業の様子は学生によってネット上に投稿された。これ以降、愛国主義者らは、宋氏に対して誹謗中傷を展開し、同氏の個人情報をネット上に晒した。警察当局に対して、同氏を「騒動挑発罪」の容疑で拘束するよう求めた。共産党機関紙・人民日報も中国のSNS微博上で、宋氏を痛烈に批判した。

中国当局は12月13日を「南京大虐殺国家公祭日」に指定しており、全国各地で関連イベントを実施し、思想統制を強めている。

また、浙江省海寧市警察当局は13日、市街地で着物を着て写真撮影していた女性を取り調べしたと公表した。女性に「厳しく叱り、教育を行った」という。

(翻訳編集・張哲)