中国元財政相、異例の政府批判 統計は「良い数字ばかり」

2021/12/14
更新: 2021/12/14

中国の楼継偉元財政部長(財政相)が12月11日、政府の統計発表は「良い状況しか表していない」と批判し、データの信憑性に苦言を呈した。元閣僚が政府を批判するのは異例なことだ。

楼氏は中国当局の内部オンライン会議で同発言をした。

中国共産党中央委員会は12月8~10日まで北京で年次経済工作会議を開いた。官製メディアの報道によると、会議では、今年の経済実績は第14次五カ年計画の良いスタートを切ったとしながらも、中国の経済発展は需要縮小、供給リスク、期待低下という三つの圧力に直面していると認めた。

楼氏は、公式統計の数値は「非常に良い状況」を表しており、いわゆる「三つの圧力」は全く統計に反映されていないと苦言を呈した。

同氏は「(経済の)負の変化を反映するには、十分な数字がない」と述べ、一方で、アメリカの統計は常にプラスとマイナスの数値を発表している」と評価した。

政府は、コロナ禍でも、企業や市場主体の数は増加しているとした。同氏は多くの企業が中共ウイルス(新型コロナ)感染症の影響で事業を中止しており、廃業届の提出が難しいため休眠状態であると述べ、政府の発表が実態からかけ離れていることを指摘した。

政府が新規就業者数の増加目標を達成したと発表したことに対して、同氏は「半年就職すれば、新規の増加にカウントされるが、後に失業したかどうか追跡調査が行われていない」と問題視した。

(翻訳編集・叶子静)