報道の自由に貢献、服役中の香港紙「リンゴ日報」創業者に「金ペン賞」

2021/12/03
更新: 2021/12/03

世界各国の主要メディアが参加する国際機関、世界新聞・ニュース発行者協会(WAN-IFRA)は1日、2021年度の「自由のための金ペン賞」を6月に廃刊になった香港紙・リンゴ日報(蘋果日報)の社員とその創業者である黎智英(ジミー・ライ)氏らに授与すると発表した。

同協会は声明の中で、黎氏が「北京による香港支配に対する率直な批判者であり、民主化運動の有名な支持者である」とし、その「報道の自由」を守る犠牲的精神を賞賛した。

黎氏が創設したリンゴ日報は、中国政府への批判的姿勢で知られており、香港で最も人気の新聞の一つだった。

黎氏は2020年12月、「香港国家安全維持法」違反の罪で起訴され、別件で禁固1年2カ月の実刑判決を受け、現在服役中。

世界編集者フォーラム(WEF)のWarren Fernandez会長は、今年の「金ペン賞」は香港のメディア人が直面する、より多くの制限に対する「恐れと挑戦」を浮き彫りにしていると述べた。

ジミー・ライ氏の息子である黎崇恩(Sebastien Lai)氏は父の代わりに賞を受け取った。

「リンゴ日報の廃刊と、香港の報道の自由に対する締め付けにより、暗闇の中で光を放つ人が少なくなっている。父とリンゴ日報編集局、香港の人々のことを思っていてほしい」とビデオメッセージを寄せた。

1961年に設立した「自由のための金ペン賞」は毎年、報道の自由の擁護と促進に貢献した人に授与される。

これまでの受賞者に、サウジアラビア総領事館で殺害され、同国政府に批判的だったジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)記者や、表現の自由のために闘ったとして今年のノーベル平和賞を受賞したフィリピンのマリア・レッサ(Maria Ressa)記者、ロシアのドミトリー・ムラトフ(Dmitry Muratov)記者などがいる。

(翻訳編集・李凌)