米SNS大手のメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)は1日、新型コロナウイルスの偽情報を流布しているフェイスブックとインスタグラムのアカウント600件以上を削除したことを明らかにした。アカウントは中国発とみられる。
メタ・プラットフォームズが公表した報告書『敵対的脅威に関するレポート(Adversarial Threat Report)』によると、これらのアカウントは、米政府が世界保健機関(WHO)に対して、新型コロナウイルス(中共ウイルス)の起源を巡って中国に責任を押し付けるよう圧力をかけているとの主張を投稿した。
中国当局は今年7月22日、中共ウイルスの起源に関するWHOの2回目の調査を拒否した。この2日後、7月にアカウントを開設し、スイスの生物学者と自称するユーザーは、WHOの内部情報や研究者の話として、米国から「強い圧力を受けた。脅迫もあった」と投稿した。
しかし、在中国スイス大使館は同生物学者は架空の人物だとの声明を出した。
メタ・プラットフォームズによれば、この架空のスイス人生物学者の投稿は数百のアカウントに転載され、中国国営メディアに引用された。
「多くアカウントは、中国のシチュアン・サイレンス・インフォーメーション・テクノロジー社(Sichuan Silence Information Technology)や中国の国家インフラ関連企業の個人と関係がある」
メタ・プラットフォームズはシチュアン・サイレンス・インフォーメーション・テクノロジー社と中国当局のつながりについて確認できなかったとした。
報告書は、これは米国の信用を傷つけるための「偽情報操作キャンペーン」であるとし、英語を話す米英のユーザーと、台湾や香港、チベットなどの中国語を話すユーザーを対象にしたと指摘した。このキャンペーンは失敗に終わったという。
メタ・プラットフォームズは、フェイスブックの524件のアカウント、20のページ、4つのグループと、インスタグラムの86件のアカウントを削除した。
報告書は「このキャンペーンは鏡の回廊のようなもので、一つの偽の役割の人物を延々と映し出していた」と述べ、「効果を増幅させるため(中国の)国家機関の職員を組織的に集めて行動したのを確認したのは初めてだ」と指摘した。
(翻訳編集・張哲)
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