中国、リトアニアとの外交関係を格下げ 米は支援する構え

2021/11/22
更新: 2021/11/22

中国外務省は21日、リトアニアとの外交関係を格下げしたと発表した。リトアニアに台湾の事実上の大使館「台湾代表処」が設置されたことを受けた対抗措置だという。米国や国際議連は、中国によるリトアニアへの圧力を非難し、同国への支援を表明している。

台湾は18日、外交関係のないリトアニアの首都ビリニュスに「台湾代表処」(大使館に相当)を開設した。台湾と外交関係のない国は通常「台北」の名称を使っているため、「台湾」の名称使用は異例だ。

中国外務省は声明で、リトアニアは「中国の主権と領土の一体性を損ね、中国の内政に著しく干渉し、国際的に悪い前例を作った」と非難。台湾が他国の支援を求めようとしても「袋小路に陥る」と主張し、「リトアニア政府はすべての結果を負わなければならない」と述べた。

リトアニア外務省は21日、「台湾との協力関係を発展させ、非外交的な代表処を設立する権利を有している」と台湾との関係深化を歓迎する意向を表明した。代表機関設置は中国政府の「一つの中国」政策に対抗するものではないとの見解も示した。

台湾で対中国政策を担う大陸委員会は、中国共産党政権には台湾とリトアニアの関係についてコメントする権利はないとして、中国は「無礼で傲慢」だと糾弾した。

ウズラ・ゼーヤ米国務次官は19日、ビリニュスでの記者会見で、リトアニアと台湾の関係に他国が干渉することを米国は認めないと述べ、中国からの圧力に直面するリトアニアを支援する構えを示した。リトアニアは、米輸出入銀行による6億ドルの輸出信用の供与について合意文書に署名する見通しだ。

7月に台湾とリトアニアは、互いに代表機関を設置することで合意。これに反発した中国は、リトアニアに対し駐中国大使を引き揚げるよう要求し、リトアニア駐在の大使を召還した。中国はリトアニアからの農産物輸入などに規制をかけるなど、報復措置をとった。

日本や米国など19か国の超党派国会議員が加盟する国際的な議員連盟「対中政策に関する列国議員連盟(IPAC)」は9月、中国共産党政権から経済的な圧力を受けているリトアニアと台湾には国際的な連帯が必要だとし、支援を呼びかけた。

アントニー・ブリンケン米国務長官は8月、リトアニアのランズベルギス外相と会談し、中国政権の強圧的な行動に直面しているバルト諸国を断固支えると表明した。

米国をはじめ国際関係担当。