キューバ当局、反体制派デモを阻止 脅迫や暴力も

2021/11/17
更新: 2021/11/17

キューバ当局は15日、反体制派が同日計画していたデモを阻止した。主要都市に警官を配備して参加者を拘束したほか、デモ主催者の家を取り囲み外出を妨害した。スペイン国営通信EFEやロイター通信などが報じた。

反体制派は、人権侵害や政治活動家の釈放を求める「変革のための市民行進」として、数千人規模のデモを計画していた。米CNNによると、キューバ政府は主要都市に警察などを配備し11人を逮捕したという。キューバ共産党のディアスカネル政権の下では、野党グループ「アーキペラゴ」が主催する民主化デモは禁止されている。

私服警官と政権支持者は、デモ主催者アギレラ氏の家を取り囲み外出を妨害した。電話回線やインターネットの接続も遮断されたという。他にも反体制派が当局者らの監視対象に置かれた。人権団体「キューバレックス(Cubalex)」の創設者ラリーザ・ディバーセント氏は、ブルームバーグに「拘束される人数が増え、脅迫や暴力がエスカレートしている」と危機感を訴えた。

キューバ当局はメディアへの締め付けも強化し、EFEの記者の取材許可証を取り消けした。スペイン政府はキューバ当局の対応を批判し、再び取材活動を許可するよう求めた。

キューバでは7月、共産党政権下で人権侵害や経済状況の悪化に苦しむ市民が最大規模となる政府への抗議デモを行なった。参加者が拘束されほか、キューバ全域でインターネットが遮断される事態に陥った。キューバ当局は、デモは冷戦時代からの米国の対キューバ経済制裁に起因すると非難。米国がデモを扇動していると主張した。

ブリンケン米国務長官は14日、キューバ当局が抗議活動を弾圧するために用いた脅迫的な手法を非難し、「説明責任」を求める方策を追求すると述べた。「最も基本的な権利を保障することができない権威主義的な政権による経済的失政だ」と非難し、国民の人権と基本的な自由を尊重するよう求めた。

米国をはじめ国際関係担当。