北京冬季五輪のリュージュ競技の会場で8日、ポーランドの選手が練習中に両足を骨折する大事故が起きた。国際オリンピック委員会は9日、事故の原因について大会組織委員会(BOCOG)が調査を行っていると発表した。国際リュージュ連盟(FIL)幹部は、事故は「人為的なミス」によるものだとした。
来年2月に北京で開催する2022年冬季オリンピック。各国の選手が最終の調整段階に入っている。ポーランドのマテウシュ・ソホウィチュ選手(25)はこの日、北京市延慶区にある国家スライディングセンターでトレーニングに臨んだ。
ロイターによると、ソホウィチュ選手は当時、「コース滑走可能」と示す緑色のランプが点灯したのを確認してから、コースを滑り出した。しかし、コースの途中に本来開いているはずのバリアがなぜか閉じていた。同選手はそのままバリアに激突し、左膝と右足に大けがをした。
ソホウィチュ選手は事故後、当時の状況を次のように説明した。
「滑走OKの緑色ランプが点灯したのを確認してから、スタートを切った。2カ所のコーナーを通過した後、コース上に閉じたままのバリアが視線に入った。あの時、高速で滑走していた私には、ダウンヒルスキーのポジションであのバリアを飛び越えるほかなかった。十分な高さに飛び上がるには間に合わなかったが、おかげで全身激突ではなく足の骨を折っただけで済んだのだ」
同選手はこの事故で命を落とす可能性すらあったとした。
ソホウィチュ選手は会場側の事故発生直後の対応を批評した。同氏は、病院に搬送されるまで氷上に約30分放置され、会場スタッフは突然の事故に右往左往し、緊急時の対応手順が「全くわかっていなかった」という。
8日の夜、ソホウィチュ選手は手術を受けた。 ポーランドチームの専属医師は、2月のオリンピック本番までに回復できるとした。
北京冬季五輪の大会組織委員会とFILの関係者は、事故の原因調査を開始した。
FILは11日、同ウェブサイト上で、FILのシュバライガー事務局長が入院中のソホウィチュ選手を見舞ったと報告した。シュバライガー事務局長は「事故は人為的なミスによるものだ。コース運営者側と北京の組織委員会と話し合い、ソホウィチュ氏の帰国に必要な作業を本格化させた」と示した。
(翻訳編集・叶子静)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。