米国務省、北京冬季五輪で安全で自由な報道要求

2021/11/07
更新: 2021/11/07

米国務省のプライス報道官は4日、3カ月後に迫る北京冬季五輪とパラリンピックで、ジャーナリストの移動やアクセスの自由を制限しないよう、開催国の中国に呼び掛けた。

プライス報道官は定例記者会見で「北京冬季五輪とパラリンピックで、ジャーナリストが移動などで制限を受けず、安全かつ自由に取材できるよう、中国政府に求める」と述べた。

人権団体や一部の米国、欧州の議員は、中国政府による新疆ウイグル自治区での人権侵害や香港での民主派弾圧を問題視し、北京冬季五輪のボイコットや開催地の変更を求めている。これについて、プライス報道官は「中国での人権侵害について、米国の立場に関する新たな情報はない」と述べるにとどめた。

中国の外国人記者クラブ(FCCC)は2日、ツイッターで北京冬季五輪のメディア対応が「透明性や明確さに欠ける」として、北京オリンピック組織委員会と国際オリンピック委員会(IOC)に改善を求める声明を出した。

FCCCは声明で「この1年間、外国人記者団は大会準備の取材や現地視察を妨害され、定期イベントから締め出されている」と主張。「海外メディアによる取材がどのようにできるのか、北京オリンピック組織委員会に何度も問い合わせたが、矛盾した回答や無視といった対応を受けている」と非難した。

FCCCは年次報告書の中で、中国は2020年に中共ウイルス(新型コロナウイルス)感染予防措置や脅迫、ビザ発給制限などを用いて外国人の報道を制限し、「報道の自由の急速な減退」をもたらしていると指摘した。同報告書によると、職務環境が改善したと回答したジャーナリストは3年連続でゼロだった。

FCCCは7月、中国で発生した大規模な洪水を取材していた外国人記者がネット上や地元住民から嫌がらせを受けたと明らかにした。英BBCと米紙ロサンゼルス・タイムズのスタッフは殺害の脅迫を受けたという。

これを受け、プライス氏は声明で、中国が批判的と見なすニュースに厳しく発言することが「世論の負の感情を引き起こし、嫌がらせにつながっている」と指摘。「北京冬季五輪とパラリンピックでの外国メディアや世界の歓迎を願う責任ある国家として振る舞うよう、中国に求める」と述べた。

米国をはじめ国際関係担当。