日本の防衛力 30年ぶりの大規模演習

【写真・動画】陸自の大規模演習、一部公開 戦闘車両の陸揚げ訓練など

2021/10/16
更新: 2021/10/16

陸上自衛隊が9月下旬から11月下旬まで行う実動演習の様子が、一部公開された。全国規模の演習は約30年ぶりで、全国で予備自衛官を含む約10万人が参加している。作戦準備段階に焦点を当てることで、有事の際の対応能力と抑止力を向上する狙いがある。

自衛隊は、演習の様子をツイッターで公開した。それによれば、9月27日には装甲戦闘車両を船から陸揚げする訓練が行われた。

陸上自衛隊の16式装甲戦闘車と隊員たち( 海上自衛隊佐世保地方総監部)

陸揚げ訓練では陸上自衛隊の16式装甲戦闘車が隊員とともに米海軍の佐世保基地に上陸した。輸送に使われた船も米軍のものだ。

陸揚げされた陸上自衛隊の16式装甲戦闘車( 海上自衛隊佐世保地方総監部)

米軍の輸送力の活用について、岸信夫防衛相が9月10日の記者会見で説明している。「陸海空自衛隊の輸送力に加え、米軍や民間の輸送力も活用して、各方面を跨いだ部隊の機動展開や全国規模での装備品・補給品の輸送などに焦点を当てた訓練を実施」すると明言している。

陸上自衛隊は「出動準備訓練」の様子も公開した。自衛隊によると、出動準備とは、防衛出動のために必要な準備であり、弾薬、燃料、糧食等を受け取り、それらを車両へ積み込むことや、出発前の車両の整備等を行う。

車両に物資を詰め込む隊員(陸上自衛隊)

このほか、駐屯地の業務の引き継ぎや、託児所の開設なども行った。

託児所を設営する隊員(陸上自衛隊)

今回の大規模訓練では出動準備訓練のほか、三個の師団または旅団を同時に機動展開する「機動展開等訓練」、防衛出動に応じ、所要の部隊を編成するため、予備自衛官を招集し、部隊を編成、訓練を実施する「出動整備訓練」、作戦に必要な補給品を集積・梱包して、その一部を各種輸送手段により、作戦地域に輸送する「兵站(へいたん)・衛生訓練」、そして必要なシステム通信を全国に構成、維持、運営する「システム通信訓練」が行われる。

大規模演習は9月15日から11月30日までの間、全国約160か所の駐屯地や演習場で行われる。

(王文亮)