「債務の罠」に陥るザンビア…対中債務6月時点で60億ドル

2021/10/11
更新: 2021/10/11

ザンビア財務省が7日に発表した最新統計によると、同国の中国の債権者に対する債務は6月末時点で60億ドルを超えた。多くの発展途上国は、中国共産党政権から多額の融資を返済できなくなる「債務の罠」に陥っている。

中国アフリカ研究所(CARI)は先月、ザンビアの対中債務が66億ドルと推定する報告書を発表。前政権が公表した金額の約2倍に上る。

中国の債権者に対するザンビアの債務は、同国の6月の対外債務146億7000万ドルの4割以上に達する。

国際法曹協会によると、ザンビアの債務は2015年以降に制御不能のスパイラルに陥り始めた。その主な原因は「一帯一路」構想にあると指摘した。

2019年、金融サービス会社ムーディーズは、ザンビアのような天然資源に恵まれたアフリカ諸国が債務不履行に陥った場合、中国の債権者との再交渉で重要な資産を引き渡さなければならない可能性があると警告した。ザンビアの資源には、銅、コバルト、銀、ウラン、エメラルド、石炭、その他の半貴石や貴金属、鉱物などがある。

2020年11月、ザンビアはドル建てユーロ債4250万ドルの利払いができずデフォルト(債務不履行)に陥った。中共ウイルス(新型コロナウイルス)流行後のデフォルトとしては、アフリカ諸国で初となり、国の財政負担が深まった。

ザンビアの61億8万ドルの対中債務の内訳は、中央政府の債務が44億7000万ドル、政府保証付きの国営企業の債務が13億4000万ドル、政府保証が付いていないザンビア電力公社(ZESCO)の債務が1億4000万ドル。残りの2億2550万ドルは利息の滞納だ。

一帯一路による持続不可能な債務

米ウィリアム・アンド・メアリー大学傘下の研究機関「エイドデータ」の調査によると、中国からの借り入れ規模が今年度の自国国内総生産(GDP)の1割を上回った途上国は42カ国にのぼる。また、中央銀行の報告書によると、一帯一路構想に参加している国の23%が、同構想による対外債務が持続不可能なレベルにまで膨らんでいると指摘した。

エイドデータによると中国企業による海外インフラ建設プロジェクトの35%は、持続不可能な債務や汚職スキャンダル、環境汚染など重大な問題が生じている。83億ドル(約9284億円)規模の約400件の海外インフラ建設プロジェクトは中国軍と関連していると述べた。

(翻訳編集・山中蓮夏)