子供を含む中国人亡命者16人が中南米のバハマで立ち往生している。ヨットでアメリカに渡る計画をしていたが、18日にバハマから出航してまもなく、浅瀬に座礁した。うち5人は、バハマ海洋警察当局に拘束された。中国への強制送還を恐れる一行は国際社会の助けを求めている。
米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、ロサンゼルス在住、中国民主党全国合同本部の鄭存柱副議長の話では、16人は成人10人と未成年者6人、複数のファミリーで構成されている。そのうち5人は、座礁現場に駆けつけたバハマ海洋警察に拘束されている。ヨットも押収された。
鄭氏はRFAに、「16人のなかには、中国民主党(海外の民主化団体)の秘密党員が何人かいる。彼らは中国で多くの(反体制の)活動をした」と話した。
鄭氏の話では、秘密党員の一人が、武漢ではじめて新型コロナウイルス(中共ウイルス)が発生した当時、独立調査のために武漢に入ろうとしたが、警察に逮捕された。
亡命者のなか、江西省在住のワン・ダヨン(34)氏はRFAの取材に応じた。十数年前から中国の政治問題に関心を持つようになったというワン氏は、香港の「逃亡犯条例」改正反対運動が勃発してから、抗議の状況を同僚たちに積極的に発信したが、同僚に録音され警察に通報された。迫害を逃れるため、中国を出る決意をしたという。
16人は30日間ビザ免除のバハマに、グループに分かれて入国し、アメリカに渡るためのヨットを購入した。「我々は今年3月から準備を始めた」という。
男性の一人は大紀元の取材に対して、胸の内を明かした。「中国に留まると、我々は迫害で死ぬ羽目になる。船に乗ってでも逃げ出すしかない」「いまは進退両難。しばらくは中国に強制送還されないであろう、バハマの物価はとても高いうえ、今後の見通しが立たない現状にみんなは緊張と不安でいっぱいだ」
もう一人の男性は「亡命は非常にリスクの高いことだとわかっている。しかし、中共の脅威はもっと恐ろしい。だから逃げ出す道を選んだ」と話した。
バハマ海洋警察に拘束された何虎林さんはこれまでに、海外での中国民主化運動や、香港人の海外亡命にたびたび資金援助したという。妻と2人の娘はその安否をとても心配している。
今もバハマにとどまっている16人は、中国への強制送還を免れて民主国家に保護されるよう、国際社会の支援を懇願している。
前出の中国民主党幹部、鄭存柱氏の話では、一人はすでに国連難民高等弁務官事務所に難民申請書を提出、残りの人も近日中に、申請書を提出する予定だという。
(翻訳編集・叶子)
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