中国でこのほど、台湾人ユーチューバーが台湾独立を宣伝していると通報した若い愛国主義者は、海外のウェブサイトに違法にアクセスしたとして、警察当局から3000元(約5万1300円)の罰金刑を受けた。若者は警察に検挙された一部始終を録音し、その音声をYouTube上に公開した。同氏がショックのあまり、泣き出した様子があった。
米ラジオ・フリ・アジア(RFA)の報道によると、北京市に住む男性ユーチューバ「愛国青年劉思桐」(ユーザー名)はこのほど、市警察の交番に訪れ、台湾人ユーチューバーの「撮徒日記」を通報した。
公開された音声では、若者が「音楽動画サイトを利用している時、(『撮徒日記』の)動画を偶然に見つけた。これを見て、すぐでも通報しようと思った」と警官に話した。
警官の「何のツールを使ってこの動画を見つけたのか」という質問に対して、若者は「インターネット上で」と言った。しかし、警官が「どのウェブサイトを使った」と問いただすと、若者が「ユーチューブだ」と答えた。
これを聞くと、警官は「どうやってユーチューブにアクセスしたか」と厳しく追及し始めた。
警官は、「ネット検閲を回避して外国のウェブサイトにアクセスすること自体は違法行為だと知らないか?」「ユーチューブへのアクセスは禁止されているのに。(中略)あなたたちだけではなく、国の専門機関、国家監督管理部門はみんな、(ユーチューブなどを)監視していて、やるべきことをやっている。これ、知っているよね?」と話した。
若者が投稿した別の動画では、罰金処分を受けて大泣きした様子が収められた。
通報された「撮徒日記」はYouTube上で、若者の音声を引用し、彼の行動を皮肉り、中国共産党の理不尽さを糾弾した。20日午前11時の時点で、この動画を視聴した人は44万人を超えた。
韓国に住む中国人ユーチューバー、陳宇陳氏はRFAの取材に対して、「一部の若い愛国主義者は、中国共産党の洗脳で思考能力がおかしくなった。彼は、警察に通報したら、こういう結果になると予想もしなかっただろう」と語った。
中国人作家の冉雲飛氏はSNS上で、今の愛国青年も、共産党の政治運動に関わった昔の知識人も、皆「(共産党が唱える)国家主義に騙され、翻弄されてきた」と指摘した。
(翻訳編集・張哲)
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