中共ウイルスの感染拡大とミャンマー国軍によるクーデターは、ミャンマーで事業を行う外国企業にかなりの影響を与えた。これらを評価するために、2021年4月に在ミャンマー外国商工会議所がアンケート調査を実施した。同調査は匿名で行われ、日系企業を含む外資企業や地元企業、合計372社が回答した。
4月6日に発表された同アンケートの調査報告書によると、ミャンマー政治危機後、日系企業を含め、事業活動や収入を大幅に減少させている企業の割合は高かった。2021年末まで、日系企業の投資計画について尋ねたところ、「わからない」と回答した企業は38%で最も高く、「投資を追加せず、現状維持する(34%)」や「徐々に事業を減少(18%)」、「完全に事業終了」を回答した企業は1%だった。
同アンケートによれば、政治危機後、日系企業を含む外資企業はミャンマーからの撤退を計画しておらず、情勢を見守っている企業が多いと明らかにした。
クーデターが発生した後、3月30日、茂木外相は「日本はミャンマーの最大支援国だ」と述べ、制裁を実施しない方針を示したうえ、新規ODA供与を見送る意思を表明した。
「日本に経済制裁を求める」ミャンマー国内から声
いっぽう、ミャンマーのビジネスに関わる日本人有志は4月、在ミャンマー日系企業の従業員(ミャンマー人、日本人)を対象に、クーデターをめぐる日本企業や日本政府への期待をアンケート調査した。この結果、「日本政府に経済制裁を望む」ミャンマー人で約95%、日本人で約89%だった。
また、国軍による人権侵害を助長するリスクを負うものとして、人権団体ミャンマーの民主化を求めるNGO「Justice for Myanmar(ミャンマーの正義)」は、5月6日、国軍クーデター政権と関係する61社の上場企業をリストアップし、ミャンマー国軍関係企業と関わる日本企業に警告を発信した。
なかには、国軍または国軍系の複合企業とクーデター以前から関係を持っている企業としてキリンHDや東京建物など日本企業4社の社名が挙がっている。クーデターの事態を受けて、キリンHDのような提携の解消を表明した企業もある。
(蘇文悦)
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