[ワシントン/メキシコ市 21日 ロイター] – 米連邦航空局(FAA)はメキシコの航空安全性評価を最上位から1段階引き下げる準備を進めている。消息筋4人が明らかにした。引き下げられれば、メキシコの航空会社は新規の米国便を追加できなくなり、両国の航空会社間のコードシェアリング(共同運行)協定に基づく相互の便の座席販売などが制限される。
引き下げは「カテゴリー1」を「カテゴリー2」にするもので、数日内に発表される見通し。その後にFAAがメキシコ当局による航空監督について長期の見直しに入る。現行の便数への影響はない。
今回の措置は、メキシコ当局の安全監督が国際民間航空機関(ICAO)の安全基準に満たないとFAAが判断したことを意味する。
ある業界筋も、FAAが懸念しているのは運航の安全性の問題ではなく、メキシコ当局による航空会社への監督の問題だと指摘した。
消息筋によると、FAAは懸念についてメキシコの航空規制当局と長く協議を続けてきた。FAA側がメキシコ現地でも評価を実施したが、懸念がまったく解決されなかった。FAAが取る措置については、既にメキシコ政府に通知されているという。
コロナ禍の中でメキシコは米国人にとって最も人気の休暇先となっている。昨年に米国と欧州を結ぶ旅客便が規制されたことで、米航空会社は欧州向けだった航空機をメキシコ便に振り向けた。今年4月の米国・メキシコ便搭乗者は230万人近かった。
消息筋によると、アエロメヒコとコードシェア協定を結んでいるデルタ航空は、今回の引き下げに伴い、アエロメヒコ便の予約済みの乗客の一部に対し、新たに発券し直す必要が出てくる。
FAAは2010年にもメキシコ当局の監督不備を理由に航空安全評価を「カテゴリー2」に引き下げ、4カ月後に「カテゴリー1」に戻したことがある。
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