米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は12日、3月に米アラスカ州で米中の外交トップが会談した際、中国側が米側に対して、トランプ前政権の対中政策を撤回するよう求めたと、情報筋の話を引用して報道した。
同報道によると、中国当局側は米中間の「対話」を復活するよう要求したという。米中外交トップ会談の内容をまとめた報告書を目にした米当局者によれば、中国当局は米中両国間の対立を、「簡単に対応・解決できる」「解決のためにさらなる交渉が必要だ」「話し合いの余地がない(台湾問題など)」の3種類に分けている。
一方、WSJは中国当局者の話として、習近平国家主席が内部会議で、黒人市民の死がきっかけで起きた米国各地の抗議デモや今年1月6日の米議会襲撃事件などを挙げ、米国の民主主義制度で「人の心がばらばらになり結束がない」と批判し、一党独裁のメリットを強調したと伝えた。
中国当局は現在、鄧小平が提唱した「韜光養晦」という正面から米国に挑まない対米姿勢を転換している。米中外交トップ会談において、中国の楊潔篪・共産党中央政治局委員が冒頭から15分間以上、米国の人種問題などを非難した目的は、「中国は米国と同等である」ことを米側に明確に伝えるためだと中国当局者はWSJに語った。
また、バイデン氏が1月大統領に就任する前、中国当局の高官や一部の学者が米国での人脈を使って、新政権の対中政策方針を探っていた。さらに、中国側の外交官が新政権との米中首脳会談に関してバイデン氏側に打診していたが、バイデン陣営に断られたという。
同報道は、米国の新政権は「中国側の挑発は続いている」とし、軍事やハイテクなどの分野において、中国は米国の競争相手であるというトランプ前政権の認識を受け継いでいると指摘した。
中国当局が台湾海峡での軍事挑発を繰り返しているなか、バイデン政権はトランプ前政権に続き、台湾との関係を強化している。米国務省は9日、台湾との政府間交流の拡大を図る新たな指針を発表した。この指針の下で、米台の政府関係者や外交官が自由に会合することができる。
(翻訳編集・張哲)