日本在住の香港人活動家らは11日夜、渋谷駅前で、香港政府によって不当に逮捕された香港人の釈放と、国会における人権決議案の成立および日本版マグニツキー法の成立を求めて抗議活動を行った。行きかう通行人の多くは立ち止まり、悲痛な訴えに耳を傾けた。
抗議に参加した在日香港人のウィリアム氏は、「日本はG7のなかで、唯一(対中)制裁を課していない国。制裁を課すか課さないかの問題を考える前に、選択すらできない状態だ」と訴えた。そして、「マグニツキー法はロシア人弁護士の死を機に世界各国で制定された。日本では去年9月になってやっと国会で論議されるようになった」「まず制裁ができるような法制度にしていきたい」とし、法整備を訴えた。
そのうえで、「人権問題は発生したらすぐに止めないと、蔓延していく可能性がある」と、日本が同問題に無関心にならないよう警鐘を鳴らした。
香港では昨年7月1日に施行された国家安全法により、当局が統制を強めている。どのようなことが違法かも明確にされておらず、香港市民は戦々恐々とした日々を過ごしている。
実際、国家安全法が施行された当日、香港警察は同法に抗議するデモ参加者30人を違法集会等の容疑で逮捕した。
ドナルド・トランプ前大統領は在任中、国家安全法の施行を受けて、香港に対する優遇措置を廃止する大統領令に署名した。ブリンケン国務長官もこの立場を引き継ぎ、「中国が香港の高度な自治の弱体化を進めている」として、香港はアメリカから優遇措置を受けるに値しないとの考え方を示している。
香港の民主活動に取り組む平野雨龍氏は、「中国共産党はアウシュビッツと変わらないこと、それ以上にひどいことをしている」と話した。「どうして天安門事件が起こった時に昭和世代の大人たちは動いてくれなかったのだろうかと、何度も思った。今私たちが動かなければ、令和世代の子供たちが悲惨な目に合う」。
平野氏は中国の強制労働についても言及し、「奴隷が作っているから安いのは当たり前。知ったからには中国製品を買わないでほしい」と訴えた。
(王文亮)