トランプ前大統領は2月28日、フロリダ州オーランドで行われた、年に一度の「保守派政治行動会議(CPAC)」に登壇し演説を行った。ホワイトハウスを去ってから初となるスピーチで、いまも高い人気を得ている前大統領は、何を語ったのか。
新党結成は「フェイクニュース」
当日、トランプ氏がアメリカの愛国歌「God Bless the U.S.A.」とともに会場に登場すると、嵐のような拍手と歓声で迎えられた。全米から大勢の支持者が集まり、会場全体が熱気に包まれていた。
「今日私はここに立ち、皆さんに伝えたい。私たちが一緒に始めた素晴らしい旅、かつてこれほど成功した事はなかった。私たちが4年前に始めたこの旅は決して終わってなどいない」とトランプ氏は語った。
トランプ氏が共和党を離党し、新たな党を結成するとの噂が流れていたことについて、本人は「フェイクニュース」だと一蹴した。「新しい党を作るだろうと言われているが、そのつもりはない。我々には共和党があり、これまでにないほど強く結束している。私が新しい政党を始めたというのはフェイクニュースだ」と指摘した。そして「我々は再び、彼ら(民主党)を打ち負かすだろう」と述べ、今後の選挙で共和党を支援して議席を取り戻すと表明した。
バイデン政権に対する批判
トランプ氏は演説の中で、バイデン政権の最初の1カ月は歴史上最悪のものだったと糾弾した。「民主党の政策は雇用、家族、国境、エネルギー、女性そして科学に反するものだ」とトランプ氏。バイデン政権の移民および国境政策は、米国に「前例のない」不法移民の大量流入をもたらしたと批判した。
そして、バイデン政権の社会主義的な政策はアメリカを貶めるものだと述べた。「私たちは過激主義および社会主義と戦っているが、これらはすべて共産主義に繋がっていくものだ。これらのことは今後もっと出てくるだろう」
驚異の支持率
CPACが28日に公表した世論調査によると、95%の共和党議員は、トランプ氏の政策方針をトップアジェンダにする必要があると考えている。さらに68%の共和党議員は、トランプ氏が2024年の大統領選に出馬することを望んでいるという。
また、97%の共和党議員はトランプ氏の在任期間の成果を認めており、CPAC参加者の55%がトランプ氏を2024年の共和党大統領候補として認識している。一方、副大統領を務めたマイク・ペンス氏はCPACに出席しておらず、大統領候補として認識しているCPAC参加者は、わずか1%だった。
トランプ氏は2024年度大統領選に出馬する意欲をほのめかした。「皆さんの力で下院を取り戻し、そして上院を取り戻そう。そして共和党の大統領がホワイトハウスへと凱旋するだろう。それは誰だろうか。誰なのか」とトランプ氏は訴えた。
そして、トランプ氏は次のように締めくくった。「私は今、我々の運動、我々の党、そして我々の国家に対して自信に満ち溢れている。アメリカを偉大で安全な国家にしていこう。皆さんに神の祝福あらんことを。アメリカに神の祝福あらんことを」
(王文亮)
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