10月25日早朝、台湾・馬祖南竿(ばそなんかん)沖の海域に、中国の大型海砂採取船が大量に出現し、同島を囲んだ。台湾の沿岸警備隊馬祖巡視船チームが現場に到着し、一部の中国船は排他的経済水域の外へ退去した。台湾の議員らがSNSに関連情報を投稿した。
台湾国民党の連江県立法委員である陳雪生氏によると、これほど多くの採取船が押し寄せるのは異様なことで、軍事目的があるのではないかと疑っている。
ラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、馬祖南竿の地元住民は25日、「南竿海域に中国の大型砂揚船が大量に出現し、島を取り囲んでいるかのようだった」とフェイスブックに投稿した。
台湾民進党の洪申翰立法委員も同日、自身が馬祖南竿海岸で撮影した動画をフェイスブックに投稿した。同動画には、沖に数十隻の中国海砂採取船や砂利運搬船が集団となって、違法な海砂採取を行っている様子が映っていた。
現場で撮影した洪氏は、その様子を「海の血を吸うようなものだった」と表現し、「この光景は地元民にとって初めてではない」と述べた。
台湾の沿岸警備隊はその後、「中国の海砂採取船のほとんどが6000メートルの排他的経済水域の外にいるため、台湾側に退去させる権利はないが、台湾水域内に侵入した数隻は、すでに追い払った」と声明を出した。
台湾民進党連江県党部主任委員の李問氏は26日、RFAの取材に対し、「中国の海砂採取船の問題は、長らく続く深刻な問題だ。今回より規模が大きい時もあった」と述べた。
同氏はまた、「台湾の海底は中国の海砂採取船の違法な砂取りによって荒れ果て、海洋生態系が破壊されている。島と島の海底に敷設されたインターネット通信ケーブルにも影響を与えている。信号の中断は島の安全と生活の質に直接影響しかねない」とした。
陳雪生氏によると、中国側は3000トン級の大型船を複数隻集めており、台湾側には有効な対策がないという。
台湾国防部のシンクタンクである国防安全研究院の研究員蘇紫雲氏はRFAのインタビューで、「民兵船はより攻撃的であるのに対して、海砂採取船は慢性的に台湾を侵食している」と指摘した。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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