仏65議員が中国臓器狩りを問題視「国民は関与しないで」法改正を提案

2020/09/30
更新: 2020/09/30

9月15日、フランスの65人の国会議員は、強制的な臓器摘出、違法な人身および臓器売買を防ぐために法律改正のための提案書議会に提出した。文書によれば、法改正は中国の臓器移植問題が背景にあり、仏国民が人道犯罪に関わらないようにする防止策としている。

刑法や公衆衛生法の改正を訴える「欧州以外のパートナーによる臓器提供の倫理的遵守に関する法律第3316号の提案」は、フランスの個人や医療・研究機関が非EU諸国と協力するならば、海外の協力組織が臓器移植の倫理を尊重し、透明性を確保し、倫理原則に違反していないかどうか検証できるようにすることを求めている。確認できなければ、協力関係の停止、もしくは制裁措置を講じることを規定するよう提案している。

フランス刑法では、ドナー本人の意思が確認できない臓器を強制摘出したり、売買したりすれば処罰されると定めており、違反者には7年の懲役と10万ユーロの罰金刑が科せられる。しかし現行法では実際、渡航移植や海外における臓器売買で有罪となった者をフランスの司法が裁くことは、困難であるという。

このため、提案は渡航移植の防止策の強化を試みる内容だ。「フランスは公的および民間の医療機関が人権侵害に加担することを防ぐために、国内法を改正する必要がある」とし、フランスの医療機関と中国との間で締結された協力契約は、監視の対象となるべきであると提言している。

今回の提案によると「中国当局はフランスや国際的な道徳的価値観とはかけ離れている。人権と自由の侵害は『良心の囚人』だけでなく、中国国民全体に向けられている」と指摘し、中国共産党が行っている臓器摘出の残虐性に焦点を当てている。

提案によると、フランスは過去20年間、中国の主要な医療・科学パートナーの1つだという。「フランスの移植医は、中国の医師が臓器摘出に加担していることを知らない可能性がある」と書いており、フランスに医療技術取得のためにきた中国人医師には、フランスの受け入れシステムの監督が必要だとしている。

提案は、2019年6月にロンドンで設置された人道犯罪に対する独立調査「民衆法廷」による中国臓器問題の報告を引用した。議長を務めた旧ユーゴスラビア元検事総長ジェフリー・ナイス卿は「強制的な臓器摘出は中国で約20年前から存在する慣行」「疑いようのない、裏付けられた人道に対する犯罪」と呼んだ。報告は、中国の主な「良心の囚人」は、法輪功学習者、ウイグル族、仏教徒、家の教会のキリスト教徒である」と明記している。

「欧米の臓器摘出の倫理的なプロセスに従うと、待機期間は3年。しかし、(中国では)平均12日と非常に短く、本人の意志と情報開示のルールに違反していることが示唆される」としている。

スペイン、イタリア、イスラエル、台湾などでは、これらの臓器移植に関する残虐行為に国民が参加しないよう国内法の改正で防止策に務めている。たとえば、渡航移植自体の原則禁止や、渡航移植に保険を適用しないなど。

(翻訳編集・佐渡道世)