豪州議員、中国詰問サイト開設「屈服か主権独立かの選択を」 

2020/05/25
更新: 2020/05/25

豪州貿易投資促進委員会の豪州連邦議員ジョージ・クリステンセン氏は5月中旬、中国共産党政権によるオーストラリア政府への経済の浸透及びボイコットを調査するための「中国詰問サイト」を立ち上げた。

同氏はサイトで「調査は連邦政府の干渉を受けない独立な活動だ」とし、「オーストラリアの経済が特定の市場や海外投資に過剰に依存しているかどうか、また、この過剰な依存が国益及び経済にもたらすリスクを分析する」と述べた。政府への提言もまとめる予定だという。

サイトは、豪州が分岐点に立っていると指摘し、「中共に屈して祖国を裏切るか、もしくはオーストラリアの主権と経済の独立を守るかの選択を余儀なくされた」と危機感をあらわにした。

またサイトは、中国への輸出が全体の3分の1を占めていることは、明らかに集中し過ぎだと述べた。最近、中国が牛肉の輸入を停止したことについて「ならず者行為」と言及している。権威主義政権に巻き込まれ、豪州が経済的どう喝とボイコットを受けやすくなったという見解も示した。

特に貿易と外国投資、国家安全保障の分野で中国の脅威を認識すべきだとサイトは強調した。

中国はオーストラリアにとって最大の貿易相手国であるが、経済での依存を利用して、豪州を威嚇している。「私たちは共産主義中国への依存から抜け出し、多様なサプライチェーンを構築すべきだ」と主張した。

外国投資において、対豪投資額の首位を占めている中国は、対豪投資を通じて利益を巻き上げている。中国国有企業も豪州での入札に参入している。

共産主義の中国は、自身を西側の価値観に反対する大国の地位を確立している。経済侵略などの手段を通じて、独立国家に圧力をかけ、主権を奪っている。

サイトでは、近年の中共政権による豪州への威嚇及び理不尽な扱いがまとめられている。

それによると、中共系の環球時報は2018年1月、南シナ海で活動する豪州の行動を「内政干渉」だと非難し、「豪州の経済に致命的な影響を与える対策を取る」と警告したという。

また、2020年4月、豪州のマリス・ペイン(Marise Payne)外相が、中国による豪州商品の輸入停止措置は経済的な脅迫だと非難した際に、駐豪中国大使は豪州の輸出や中国人の豪大学への留学を取りやめると警告した。

同年4月、スコット・モリソン豪首相が、中共ウイルス感染源への「独立した調査が必要だ」と考えを示したことに対して、中国が強く反発している。中共機関紙「人民日報」は「オーストラリアの国民はモリソン首相の行動にいら立ち、失望している。モリソン首相は責任転嫁のために中国を非難している………豪州は米国に媚びを売り、地域のリーダーになろうとしている」とモリソン首相を批判した。

2020年5月、豪州が中共ウイルス感染源への独立した調査を求めた後に、中国はオーストラリアの大麦に80.5%の追加関税の適用を発表した。

同年5月、中共がオーストラリアの食肉大手4社から牛肉の輸入を停止した。これら4社は豪州の対中牛肉輸出の約35%を占めているという。

サイトは利用者に向けてアンケート調査を行っている。

「中国は豪州最大の貿易相手国・最大の市場であり、輸出の31%を占めている。最近、中国が豪州産牛肉や大麦の輸入を制限し、ボイコットしている。貿易において中国に過剰依存することで、経済や国家安全に脅威をもたらしたと思いますか?」

「過去40年間に、豪州企業約320社が中国国有企業に買収されている。このような買収を制限すべきだと思いますか?」

「中国は900万ヘクタール超えのオーストラリアの農耕地を所有し、海外所有者のトップである。この状況を受け入れられますか?」

「豪州の水資源の約1.9%は中国に所有されている。多いと思いますか?」

「土地、水資源、インフラ施設及び戦略資産を中国企業に租借したり売却したりすることは豪州の国益を損なうことだと思いますか?」

「豪州は、長年にわたり人権侵害を続けた共産主義中国への依存を減らすべきだと思いますか?」

などの項目が含まれている。

(大紀元日本ウェブ編集部)

 

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