<新型肺炎>米専門家「熱核反応のようなパンデミック」 2月に感染者25万人と推定

2020/01/27
更新: 2020/01/27

中国では、新型コロナウイルスによる肺炎の感染が急速に拡大している。米国の専門家は、新型肺炎は「熱核反応のようなパンデミック(世界的な感染の流行)」になる恐れがあると警告した。

ニュージーランド・メディア「Newshub」20日付によると、欧米の伝染病学者は、新型肺炎の基本再生産数RO(1人の患者から何人に感染させるかを示す数値)は3.8人、または3.3人と推測している。さらに4人と指摘する声もある。世界保健機関(WHO)の推定値である1.4~2.5人を上回った。

研究家らは、一部の感染者に明らかな症状がないことに注目し、「移動する隠れた感染者」と呼んでいる。

Newshubは、米ハーバード大学の公衆衛生学教授のエリック・ファイグルーディン(Eric Feigl-Ding)博士のツイッター投稿を引用した。ファイグルーディン博士は、新型コロナウイルスのROは3.8人と主張し、「熱核反応のような世界的大流行(thermonuclear pandemic level bad)」になるとした。同氏は投稿で、新型肺炎に関する研究図表を並べ、「誇張していない」「恐慌を煽っていない。私は科学者である。このウイルスは非常に恐ろしい」とした。

ROの数値が大きいほど、まん延を防ぎにくい。ファイグルーディン博士によると、季節性インフルエンザのROは1.28人。2009年に世界的大流行になった新型インフルエンザ(H1N1)は1.48人。1918年、全世界に流行ったスペイン風邪のROは1.8人だった。

同博士は、2月4日までに、新型コロナウイルスによる肺炎の感染者は13万2000~27万3000人に拡大すると推算した。

一方、米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)26日によれば、英国のランカスター大学、グラスゴー大学ウイルス研究センター、米国のフロリダ大学の伝染病学者4人が、新型肺炎のデータ分析をした後、1月23日、研究報告を発表した。

同報告によると、新型肺炎のROは3.6人から4.0人となっている。武漢市で明らかになった症例は全体の5・1%に過ぎないとの見方を示した。新型コロナウイルスの伝播のスピードは、2002~03年にかけて広がった重症急性呼吸器症候群(SARS)よりも速いとした。

また、「感染の拡大が抑えられず、または伝播のスピードに変化がなければ、今後、中国の他の都市でも爆発的に感染が広がり、海外へのまん延も加速化すると予測する。将来14日間内(2月4日まで)の武漢での感染者は25万人を超えると推測」とした。

報告は、湖北省政府が感染拡大防止の対策として武漢市を封鎖したことについて、効果は乏しいと指摘した。「他の突発的コロナウイルスと比べると、新型コロナウイルス(2019-nCoV)のROが非常に高い。感染まん延の防止が非常に困難になるだろう」

ファイグルーディン博士は、スペイン風邪が流行った1918年と比べて現代社会は飛行機、列車などで地域間の移動が迅速になったため、「われわれは1918年以来の大まん延に直面している」と警告した。スペイン風邪の死者は5000万人を上回ったと言われる。

博士はWHOに対して、新型肺炎について早期に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言すべきだとした。

(翻訳編集・張哲)