イタリアのマッテオ・サルビーニ(Matteo Salvini)副首相は20日、中国を名指しして、民主主義的ではない国からの介入を防ぐために、個人の財産や健康情報など機密情報は安全に管理しなければならないと述べた。このほど、先進7カ国(G7)参加国で初めて一帯一路の参加覚書に署名したコンテ首相とは対照的に、副首相は対中強硬路線を示す。
イタリアの連立与党・同盟の党首であるサルビーニ氏は、国内La7テレビ番組で「中国は民主主義ではなく、ある種の帝国主義的な支配を行っている」と語った。連立政権発足から1年、副首相兼内相を務めるサルビーニ氏は、「イタリア第一主義」や移民反対を掲げる。
サルビーニ氏は、中国大手通信機器・ファーウェイに対する米国の禁輸措置について、「イタリアの機密情報はイタリア人の手の中になければならない」と、自国民の機密情報の管理厳格化の必要性を強調した。
内相の立場から、サルビーニ氏は国家安全保障上の理由で、ファーウェイがイタリアにおける5Gネットワーク構築に参加することを阻止できる。
このほど、コンテ首相は中国政府が主導する広域経済圏構想・一帯一路に参加するとの内容の了解覚書(MOU)に署名した。これはG7の欧州国で初。サルビーニ氏はこれについて、国連と安全保障および国内企業の動きを支える行動とは異なると述べた。
コンテ首相の態度とは対照的に、サルビーニ氏は米トランプ大統領政権に同調した、対中強硬姿勢を鮮明にしている。17日、ミラノで開かれた外国人特派員協会での記者会見で、通信ネットワークを含む国家安全保障分野に、中国企業が参入することに反対すると述べた。
(翻訳編集・佐渡道世)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。