デンマーク、ファーウェイ社員2人国外退去、1月に通信契約取り消したばかり

2019/02/05
更新: 2019/02/05

デンマーク警察当局は4日、中国通信大手、華為技術(ファーウェイ)の首都コペンハーゲンにある事務所を家宅捜査し、社員2人を国外退去処分とした。「居住および就労ビザなどの規則に違反した」ためだという。デンマークでは、ファーウェイに対して警戒感が高まっている。

ロイター通信4日付によると、警察当局は1月31日、ファーウェイ事務所を調査後、社員4人が違反したと判断した。その後、うちの2人に対して同国から退去するよう命じた。

警察当局は、この2人の社員が中国人かどうかを明らかにしていない。

このほど、デンマークでファーウェイ製品を排除する動きが出ているが、警察当局は今回の捜査と関係ないとしている。

デンマーク紙ポリティケン(Politiken)1月22日付によると、国有鉄道会社バネデンマーク(Banedanmark)は1月18日、北欧でネット通信サービスを展開する、ネットノーディック(NetNordic)社との業務提携契約を取り消すと発表した。同契約は昨年11月に締結されたばかり。

同契約では、ネットノーディックとファーウェイが、デンマークの鉄道に光ファイバー・ネットワーク設備を提供する予定だった。バネデンマークはこの設備で、日々の膨大なデジタルデータを処理すると計画していた。

同報道によれば、バネデンマークの責任者は、ポリティケン紙宛ての電子メールで、同社がサイバーセキュリティーを重視し、ネットワークの脅威防止を強化していると強調した。

昨年、米政府はファーウェイが中国当局のために情報収集をしているという強い懸念から、軍や政府機関内でファーウェイ製品の使用を禁止にした。このため、デンマーク国内でも、ファーウェイの通信機器の安全性に対して関心が高まった。

デンマーク国会国防委員会は1月22日、クラウス・ヨルト・フレデリクセン(Claus Hjort Frederiksen)国防相を招き、ファーウェイとデンマークの通信インフラ整備について質疑した。

ポリティケン紙は23日の評論記事で、与野党はファーウェイによる国家安全保障上の脅威に懸念を示していると報じた。デンマークの第4世代移動通信システム(4G)では同社機器が使用されている。

フレデリクセン国防相は、デンマークの安全保障のため、同政府は「この問題に真剣に取り組んでいる」とした。国防相は、ファーウェイの不透明な経営体制に言及し、懸念を示した。

同国の社会主義人民党とデンマーク国民党(DF)は、次世代通信規格(5G)の通信網からファーウェイの設備を排除すべきだと主張した。

(翻訳編集・張哲)