カナダ、5G通信網からファーウェイとZTE排除 安全保障上の脅威

2022/05/20
更新: 2022/05/20

カナダ政府は19日、深刻な安全保障上の懸念があるとして、第5世代(5G)移動通信システムから中国通信機器大手の華為技術ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)を排除すると発表した。日米豪など同製品の排除が進む主要国に追随する形だ。

両社の排除について「国の安全保障機関による包括的な検討と、最も親密な同盟国との協議を経たものである」とシャンパーニュ産業相は会見で述べた。政府は両社製品の新規調達を禁じる。既に利用中の5G機器は2024年6月までに、4G機器については2027年末までに撤去する必要がある。カナダの通信大手は欧州のエリクソンとノキアと組んで5G通信網を構築する。

ファーウェイは人民解放軍との繋がりや不正な監視活動が指摘されてきた。さらに、2017年に中国が施行した「国家情報法」により一層警戒が強まっていた。同法は「いかなる組織、個人も法に基づき国の情報活動に協力する義務がある」と規定している。

カナダの保守党議員らは、これまでも政府に対してファーウェイ華為技術の通信機器を排除するよう求めてきた。しかし、ファーウェイの孟晩舟副会長兼最高財務責任者の拘束後、カナダ人2人が中国当局に拘束された背景があり、先延ばしされていた。

メンディチーノ公共安全担当大臣は中国2社の5G排除決定に加え、カナダの通信システムと重要インフラを保護する法案を近々提出するとしている。

米国は2019年にファーウェイ製品の政府調達を禁じた。昨年11月にはファーウェイや中興通訊(ZTE)などの中国通信機器メーカーの認証を禁じる法案を成立。米政府と取引がない民間企業にも販売を禁じて「抜け穴」を封じるなど、中国通信会社への排除を強めている。 

米国をはじめ国際関係担当。